CoH1とCoH2のゲーム性の違い
CoH2はCoH1の紛れも無い後継作ですが、RTSとしてのCoHシリーズの特徴は受け継がれているもののゲーム性はそれなりに変わっています。CoH1プレイヤーがCoH2をプレイした時の戸惑い、逆にCoH2プレイヤーがCoH1をプレイした時の困惑が何かを考えてみました。
受け継がれしもの
CoHシリーズの特徴はしっかり受け継がれています。書き出すとキリがないですが、MP・弾薬・燃料の3資源、セクターのキャプ合戦、カバー、施設とTierと生産、ユニット間の相性関係などなど。
ただしゲームバランスの変更により、これらの概念への接し方が変わっています。戦術にも大きく影響しているので1つ1つ見ていきましょう。
燃料が少なく車両の選択がより重要になった
CoH2では1に比べ車両を作るための燃料が少なく、車両の出現が遅い上に数も揃いにくく、燃料の使い方がより重要になっています。
早めに車両を出すことは当然有利ですが、それを見て相性の悪いユニットを相手から出されると厳しくなります。一番わかりやすいのは、アメリカが中戦車を揃えた状態のヤークトティーガー(動く88)でしょうか。
全般的にユニットが溶けやすくなりましたが、戦車が数が揃わない上に対戦車兵器の威力と貫通率が上がっているので1ほど戦車でゴリ押しする展開はありません。対戦車砲は戦車によく当たり貫通します。1ではPakがシャーマン1両倒すのによく弾かれるので6発程度射撃する必要があることもありましたが、2では大体安定して4発で破壊できます。
また1と比べパンツァーシュレックを構えてから撃つまでが早くなり、命中率と貫通率も上がっているため車両での引き撃ちは難しくなっています。連合側の携行式対戦車兵器が微妙なのは変わらずです。
戦闘の主役が終盤まで歩兵になった
上記の車両が少ないのもあり、歩兵が序盤から終盤まで最も重要なユニットになりました。
1では国防でもPEでも歩兵をたくさん出すことは、最終的に敵戦車や砲撃に対して辛い展開となるため悪手でした。しかし2では戦車や砲撃車両の必要燃料が高いため歩兵の天敵が少なくなっています。対戦車砲は強力だし特に枢軸のパンツァーシュレックは優秀なため、敵歩兵に対しては歩兵をぶつけ、戦車や砲撃などでそれをサポートする形となっています。
歩兵戦で撃ち勝つことは最も重要なことで、歩兵戦の優劣で獲得セクターが増減します。
資源カットよりも戦闘のほうが格段に重要になった
これは1と比べとても大きなゲーム性の変化です。1では機動性に富むアメリカやPEが敵の資源をカットし、国防は固い守りで返していくというゲームでした。ほとんどの1のプレイヤーはここが好きでCoHをプレイしていたと思います。
1では資源を得るためにStrategic Pointという、占領しても分間3MPしか得られない実質繋ぐためだけのセクターを確保する必要がありました。大きな資源ポイントが大体自陣から遠い場所にあり、それを取るには途上のSPを守っていかなければならず、アメリカやPEは機動性を活かして色々な場所から資源を切れました。1での良マップというと、大抵自陣目の前に大きく切られるSPがあるところばかりでした。
しかし2で資源争奪戦に関して大きく変化しました。通常のセクターでも5弾薬・3燃料が得られるようになったため無理して大きな資源セクターを守る必要がなくなりました。
大きな資源セクターが重要なのは変わらずですが相対的に価値が低下し、無理して切ったり確保したりしてもわりに合わないことが大抵です。これは大きく燃料勝ちしても戦車がそんなに多く出るわけではなく、戦車だけで勝つことは難しく、結局セクターを守るには歩兵戦で勝つ必要があり、無理して資源争奪するとMPを浪費して歩兵戦で勝てなくなり結局不利になります。
そのため、多くの場合はマップ中央などの重要な場所で歩兵と支援ユニットが集まり、歩兵戦を続けることが多いです。歩兵の分隊数の差で歩兵戦の優劣が決まるため、キャプハラスなどは余裕がある時にしかできません。
アンチユニットの関係が緩くなった
上記全てと大きく関連することですが、1ほど極端なアンチユニットの関係がなくなり歩兵が常に重要となりました。
1では「歩兵←戦車←対戦車砲←歩兵」の関係が明確に設定されていて(対戦車砲は少し弱めでしたが)、それに戦車以外に効果的な砲撃とスナイパーが加わり、諸兵科連合がとても重要なゲームでした。歩兵だけ固めていても、アンチユニットの前には無力なことがほとんどでした。
そのため「歩兵数で獲得セクターが決まる」という事態が少なく、むしろ「アンチユニットをいかに活かすかで獲得セクターが決まる」というゲーム性でした。だから終盤は中央は2分隊くらいの歩兵と戦車と対戦車砲だけ置き、他の歩兵は周辺のキャプハラスに行き、中央を歩兵で押してきたら戦車で引き撃ちしつつ周辺から囲む、というような展開でした。
しかし2では中央を薄くすると大抵は突破を許し厳しい展開となります。中央を厚くした上でのマップコントロールが重要となり(大抵は戦車による)、1とは違った考え方となります。