HOI -Karl- 対OKWレンドリース戦法リプレイ解説

これまでOKWに振り回されっぱなしだったソビエトが、主導権を握れる戦法の解説。マップはArnhem Checkpoint。北側がOKWで南側がソビエト。(リプレイファイル)

レンドリース コマンダー

非常に癖が強いが、強力な召喚ユニットを持つ攻撃的なコマンダーである。

CP2: DShK38 HMG召喚 (MP:300/Pop:6)
CP4: 燃料投下 (弾薬100消費で燃料30獲得)
CP5: コンスクリプトが修理可能に
CP5: M5ハーフトラック+PPSh装備ガード召喚 (MP:540/燃料:30/Pop:11)
CP10: M4Cシャーマン召喚 (MP:380/燃料:135/Pop:14)

目玉はCP2のDShKとCP10のM4Cとなる。

DShK (2CP/MP:300/Pop:6)

dshk.png(3667 byte)

CP2と言えば4コンスか3ペナルを生産完了していくらか戦闘した頃合いで溜まり、T2なしで最も強力なHMGを即時召喚できる。マキシムが劣化MG42になってしまった中、昔のマキシムと同じセットアップ時間で十分な幅の射界を持っている。

拠点防衛には少し使いづらいがアタックムーブでも十分機能し、建物に入れると射界も広がるため砲撃か戦車でないと突破が困難となる。

AP弾アビリティがあり、ルクスには効かないが222やハーフトラック系ならゴリゴリ削り撃破できる。

燃料投下 (4CP/弾薬100消費で燃料30獲得)

レンドリースは特にペナルとの相性が良く、それに加えDShKを出すと高価ゆえにユニット数が少なく、マップがうまくとれないことが少なくない。そんな時でもT-70やM4Cを出すために弾薬を燃料に変換できる。燃料が足りなければどんどん使うべきだろう。

コンスクリプトが修理可能に (5CP)

cons.png(6317 byte)

コンスは1分隊いるかいないかだろうが、エンジより若干遅いくらいの速度で修理できるようになる。覚えておいて損はない。

M5ハーフトラック+PPSh装備ガード召喚 (CP5/MP:540/燃料:30/Pop:11)

m5ht.png(4106 byte) guards.png(6345 byte)

PPShを装備したガード(ショックより少し弱い)が乗ったM5ハーフトラックが召喚される。弾薬120で機関銃アップグレードは可能なので、相手がT2でなくT1で、T-70を作る燃料がない場合は選択肢に挙がる。個人的には使わない。

M4Cシャーマン召喚 (CP10/MP:380/燃料:135/Pop:14)

m4c.png(6424 byte)

これがあるからレンドリースが選ばれる。T4なしで、T-34/85より強いシャーマンが即時召喚できる。リロードが早く、対歩兵力は特に高い。通常3両は出される。

実際のゲーム展開を追いながら解説していく。

序盤の戦い

sov_eng.png(5367 byte) sov_t1.png(12030 byte) penal.png(5565 byte) m3a1.png(4365 byte) penal.png(5565 byte) penal.png(5565 byte) dshk.png(3667 byte)

Arnhem Checkpointは中央の建物の取り合いになるマップである。T1を作ってから2エンジでキャプと建物取りをしている。ソビエトのエンジは最弱なのでOKWの工兵に近接されると負けるが、それでも中央を抑えられると後続のペナルが動きにくくなるのでエンジで建物を取る。もしもOKWの工兵が突撃してきたら、建物を軸に2エンジで戦って粘りペナルを待つ。

ちなみにエンジでなくコンスを作る手もあり、MP差は70である。戦闘力はコンスのほうが高いし土嚢は便利だが、火炎と地雷探知機で2分隊は必要になるのでエンジを増産するほうが得策か。

(2:00) M3が完成し、手近なセクターをキャプしたペナルを乗せてキューベルに突撃している。キューベルはM3に弱いため、ソビエト戦で作るのはかなりリスキーである。地雷に誘導したり歩兵で護衛すればM3も無理できないが、この時間帯でそれは不可能。キューベルを撃破すればOKW側はキャプが進まなくなるのでぜひ狙いたい。

キューベルがいない場合でも、現パッチのOKWはT1かT2トラック設置完了までパンツァーファウスト使用不可なので、ペナルを乗せて孤立した歩兵を狙っていく。

(2:50) 無事キューベルを撃破し、OKWの戦力がダウンしたのでひとまず西側のカットポイントへM3を進めてセクターを中立化した。このM3を追いかけて相手するにはVolksなら3分隊は必要となり、それはこの時間帯には不可能である。なのでM3での要所のカットは非常に有効。OKWとしてはキャプし直したいが、下手に動けば負けるのでカバーから安易に出れない。

その後は増産したペナルは西側に向かわせ戦闘を重視している。ペナルは高価でユニット数が少ないので、コンススパムと違い狭い範囲を確実に取るように戦闘を重視しなくてはいけない。Volksに対してペナルはかなり優位である。マップ全体で見ればキャプ負けするかもしれないが焦らないこと。それをフォローできるのが要所のカットだが、無茶はせず戦闘を第一に考える。

(4:20) M3に火炎エンジを乗せて敵陣奥のカットポイントへ向かった。この時点ではまだファウストは撃てないので、地雷さえ踏まなければ多少無茶できる。カットに成功したので資源的にはひとまず安心となった。戦闘に余裕があるので、ペナルはゆっくりキャプチャしている。戦闘とキャプのバランスはCoH2において一番難しい部分の1つで、慣れない内は戦闘を重視したほうが絶対いい。

(6:10) 無事に2CP溜まり、Guard MotorやDefensive TacticsでなくLend Leaseを選択してDShKを召喚している。敵がT1で歩兵ばかり、しかもかなり押し込めているのでLend Leaseが最適となる。

使い分けとしては、序盤の戦闘に失敗しルクスが止まらない状況になればGuard Motorを選択し、ペナルとガードで戦っていきT3やT4を目指す。DefensiveはLend Leaseと似ているのだが、M4Cが出せない代わりにT2を作らなくても小さなATGを召喚できる。威力は低めだが連射は早く、ルクスやプーマを相手にするには十分で、ルクスさえ何とかなればDShKで抑えられる場合に最適。M4CがなくてもT-34/76+SU-85を目指せばよい。

DShKは建物に入れている。射角が広がるのでArnhem Checkpointのようなマップでは中央の建物に入れるだけでかなり活躍できる。

(9:00) DShKの裏の建物から降下猟兵が出現したのでDShKをリトリート。CoH2の基本となるが、設置系ユニットはこういう局面に弱いので注意が必要。建物に入れておけば銃撃にはかなり耐えられたが、いずれにせよCoH2では戦果を焦るよりもリスクを減らしたほうがいいことが多い。ここでソビエトはほぼオールリトリートの形となり、マップ広域に渡りキャプし返されてしまう。

中盤以降の戦い

sov_t3.png(11667 byte) t70.png(4612 byte) field_infirmary.png(6232 byte) dshk.png(3667 byte) m4c.png(6424 byte) m4c.png(6424 byte)

(9:40) 通常は待ち受けるOKWをペナルで崩すのは苦労するのだが、ここまで順調だったのでT-70が完成しこれを軸に反撃できた。またこれはプレイヤーの勘となるが、MP損失的にラケーテンヴェルファーはいないと推測していて、地雷さえ踏まなければT-70は自由だと考えていたはず。

しかしT-70は建物に入った敵歩兵に行く手を阻まれる。ここが前作との大きな違いで、今作では建物やヘビーカバーに歩兵を入れると戦車が来てもかなり耐えられる。なので要所の占有が重要であり、安易にキャプしに行って敵にとらえてはいけないのだ。特に降下猟兵は全射程で強いので、建物に入られると非常に厄介な歩兵の1つ。

建物内の歩兵を素早く排除するには迫撃砲かスナイパーが有効だが、それがなければ単純に全戦力で力技でどかすしかない。手榴弾があると便利だがペナルはサッチェルなので余所見でもしてなければまず当たってくれない。

(11:20) 中央の敵歩兵をなかなか排除できないので、HQで回復したペナル達は西側をキャプしに行っている。ここもバランス感覚が必要だが、T-70が自由に動き回れる状態であり、相手は下手にこちらに手を出せず無茶してこないと判断した結果だろう。ここで全力でペナルをマップ中央に向けても、建物で時間を稼がれて敵のT3が早くなるだけである。

(12:00) マップを走り回っていたT-70が中央へ戻り、MG34と降下猟兵を火炎エンジとともに追い払ったことで戦闘が相当楽になった。ただ地雷やラケーテンヴェルファーの伏撃などの危険もあり1つの賭けでもあった。OKWとしてはT-70がかなり厄介であり、それに分断された結果マップ中央が耐えられなかった形。

(13:00) ラケーテンヴェルファーからT-70が一撃食らう。昔と違いT-70のヘルスは400になったので、2ラケーテンヴェルファーで即死がなくなった。対歩兵力は若干落ちたものの、これまでより積極的に動けるため使いやすくなった。この時間までペナルはずっと戦闘せずキャプだけしていたが、それもT-70が撃破されにくくなり敵を撹乱し続けられたからである。

(14:00) ラケーテンヴェルファーが現れたことで、これまで楽していたペナルを前線に呼び戻しT-70と共に押している。CoH2の基本として、歩兵だけで戦うのはアリだが車両だけで戦うのはリスキーであり限定的な状況でしか使えない。ラケーテンヴェルファーは他のATGと違いクルーにヘビーカバー判定がなく死にやすいため、T-70とペナルで一緒に押すことで撃つ余裕を与えなかった。射程は50と短いしよく外すし、このラケーテンヴェルファーの弱さを連合としては突いたプレイをしたい。

ラケーテンヴェルファーのリトリートを見たので、マップ西側へ向かった敵歩兵はT-70で安全に排除できると判断。T-70で素早くリトリートさせペナルを向かわせている。この素早さがT-70の最大の魅力である。

またこのタイミングでCPは9で燃料に余裕があるのでT4を作っている。ここまでくれば早く中戦車を出して楽に敵歩兵を追い返したいと考える。T-34/76は安く、対歩兵だけで見ればコスパは最強である。相手はルフトバッフェなのでパンター指揮戦車は出てこないし、T3から戦車を出す燃料はないので中戦車なら何でもいい。

(17:10) T-34/76が完成し、敵に突撃して試合終了。T-70と違い、やはり中戦車は無理が効く。特にOKWはラケーテンヴェルファーの使い勝手が悪いので、中戦車が走り回っていると非常に戦いづらい。

ちなみにそんなOKWがラケーテンヴェルファーを上手く使う唯一の方法は、主導権を握ることである。歩兵を集中運用して各個撃破を狙い、敵が戦車を使わないと止められないという状況を作る。その通り道にラケーテンヴェルファーを置く。相手の戦車に向かわせるのでなく、相手から来てもらうのがラケーテンヴェルファーの使い方となる。だからOKWは中盤以降、多少blob気味にならざるを得ない。

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