常識すぎて誰も語らないバイク話

ベテランライダーがバイク乗りの考え方、実情、ライテクなどバイクの世界を語ります。
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サーキット上級者への道

サーキットでバリバリ走るために必要な知識・練習をまとめています。バイク初心者からサーキット中級者まで役に立つ記事を目指しています。

サーキット練習用のバイク選び

公道で楽しく走るというだけなら気に入ったバイクを買えばいいのですが、サーキットでの練習を第一に考えたバイク選びとなると難しくなるので考えていきます。

とても大事な部分なので長い文章ですがご了承ください。ちなみに試乗を含めたくさんのバイクに乗ってきた経験と、Ninja 250SL・DR-Z400SM・CBR600RR・GSX-R1000を現在所有している経験から書いています。

作成:2020年5月26日

初心者は大型はダメで250以下が推奨なのは本当か

自分の経験から言うと事実です。というか大型を乗っている人でさえ、本格的な練習用に250や2st50ccが欲しくなってしまうほどです。

まずバイク歴の浅いライダーにとって、600や1000のスーパースポーツをサーキットで乗るというのは、数千万円のスーパーカーを街中で乗らされるようなものです。性能はすごいのですが底知れず、直線くらいは開けられるものの決して全開はできない。どこまで攻めていいか全くわからない。それよりもエンジンパワーの限られたNAエンジンの車のほうがよほど全力で集中して走れるはずです。

大型バイクで上手く攻めきれない、扱いきれないことを恥じる必要は全くありません。そもそも現代のマシンとタイヤは性能が高すぎるので、昔に比べて扱いやすくなっているとは言っても気持ちよく攻めるには相応なレベルに達する必要があります。

しかし全てのライダーの中でそのレベルまで扱える人は1割もいません。というか、そもそもそこまで攻める必要が普通はないし、そこに達するにはそれなりの鍛錬が必要ですから当然です。

結局600cc以上のバイクでちゃんと攻めるには、アクセルを全開にしてその莫大なエンジンパワーを使わなくてはならない。アクセルを開けられないならその排気量は必要ないのです。サーキットで大きなバイクに乗るというのはそういうことです。

扱いに慣れてない人がそれをするのは途方もなく難しく危険なので、より早く安全に上達したいと考えているなら私は250ccのバイクで練習することをオススメします。

NSR50などの50ccも練習用として推奨されますし、メインマシンとして本格的にやっている人も多いですが、ほとんど乗った経験がないので言及しないでおきます。

ストックのままでサーキットを走れるバイクはスーパースポーツ以外ではない

ほぼ間違いないと思うのですが、私が知る限りでは600や1000のスーパースポーツと昔の250/400レプリカ以外ではノーマルの状態でサーキットを走るのは厳しいものがあります。ハイグリップタイヤを履いたとしてもです。

これはサーキットでは大きな負荷(荷重)がかかるため前後サスが硬くなくてはならず、また旋回性を上げるためにフロントが低くリアが高いという姿勢である必要があるためです。そういうセッティングだと街中ではとてもつまらないバイクになってしまうので、スーパースポーツ以外ではそこまで攻めたセッティングになっていないのです。

そのためある程度のセッティング変更やパーツ交換が必要になるのですが、最初から完成されていて少しの出費でサーキットを走れるバイクであるなら、それだけタイヤ代などに回せるため好ましいです。

仮にまだスポーツ走行に慣れていなくてサーキットはまだ走らず、山道などで練習したいと考えている人でも、曲がらないバイクで練習するのは遠回りになるため、サーキットに向いたバイクを選ぶべきです。

250ccの中でオススメはNinja 250SL

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サーキット練習用に250がオススメと言いましたが、2000年以前のはメンテを考えて除外するとして、近年の中でのオススメはNinja 250SLです。

理由はまず車体価格が安いことで、中古で綺麗な車体が30万円くらいから買えます。そしてバックステップを入れ、フロントフォークのオイルを硬いのに換え油面を上げ、突き出しを少しすればバランスが取れてかなり走るバイクになるからです。もともと軽量スポーツをコンセプトに作られているためでしょうか。

他の250はもっと車体価格が高かったり、リアサスを買い替えたり、バランス調整に手間が掛かったりします。以下は自分の知っている中での他車種の情報です。

  • YZF-R25は車体価格は安いもののリアサスが柔らかすぎて社外にする必要あり
  • 2017までのNinja250は重くサーキット向きではない
  • GSX250Rも同様に重くサーキット向きではない
  • 2011からあるCBR250R(MC41)はよく見かけるのでオススメ
  • 現行のCBR250RR(MC51)とNinja250(EX250P)は高すぎる

ある程度スポーツ走行に慣れた人間なら最初から大型でも大丈夫?

山道をよく走っていたり何度かサーキット走行会に参加したことがあるなど、そこそこ走れる自信があるなら600や1000のスーパースポーツでもいけなくはないと思います。大きなバイクに乗りたい気持ちはすごくわかりますから、それを抑えるのは大変だと思います。

ただしエンジンパワーが限られていてコーナリングに集中できる250と違い、立ち上がりで超加速するための走り方を追求しないといけない大型では、乗り方がわからなくなる可能性もあります(管理人がそうでした)。目先のコーナリングの速さを追求してもあまり意味がないのです。

慣れていない内は転倒する可能性も高くなるため、安い中古を買うことをオススメします。例えば現行の600や1000を買ってしまった場合、もう後戻りはできないし転倒した時のショックはとてつもなく大きなものとなるでしょう。

個人的にはCBR600RRをオススメしたいです(中古で50万円くらい)。バランスが取れているため乗りやすく曲がりやすく、妙な癖に悩まされることがないので練習に最適です。タイヤだけ良いのを履いてバックステップを入れればすぐ走れるのも魅力です。逆にオススメしないのは2010年くらいまでのカワサキ車(癖が強い)と、2003年までのYZF-R1(サーキット向きではない)でしょうか。ホンダかスズキを選べば間違いはないです。

600と1000どちらにするかは、正直好みで良いと思います。自分は600のほうが扱いやすくて気に入っています。

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