常識すぎて誰も語らないバイク話

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サーキット上級者への道

サーキットでバリバリ走るために必要な知識・練習をまとめています。バイク初心者からサーキット中級者まで役に立つ記事を目指しています。

操作による荷重とサスペンションのストロークの変化

基本的なことなので確実にイメージしておきたいのが、マシンがどういう時に荷重やサスのストロークがどう変化するかです。理解しておけば各コーナーでそれぞれどういった操作が必要なのか知ったり、自分の走りの問題を探りやすくなるかもしれません。

作成:2020年12月4日

車体姿勢の変化

前後の荷重についてですが、ターンインでは強烈なブレーキングでF:100 R:0、フルバンクでクリッピングポイントにつく辺りでは最高の旋回性を出すためにF:50 R:50、立ち上がりでは全開のためF:0 R:100というように移行します。0になることは通常ないですが、それに近い値になります。

前後の車高も同様で、ターンインでは前下がり、クリッピングポイントでは旋回性を引き出すために前後同じ高さ、立ち上がりでは後ろ下がりとなります。

前輪荷重フォークリアサス後輪荷重
フロントブレーキ増える縮む伸びる減る
リアブレーキ縮む増える
エンジンブレーキ縮む増える
遠心力増える縮む縮む増える
加速減る伸びる縮む増える

フロントブレーキとフロントの関係

スポーツ走行ではフロントブレーキを上手に使って、フロントフォークのストローク量をコントロールして、またフロントタイヤを強く潰し続けることで旋回力を引き出すことが肝要です。

立ち上がりで全開の状態からのブレーキングなので、リアサスが沈んでリアタイヤに荷重が載っており、フロントフォークは伸びていてフロントタイヤの荷重が小さい状態からブレーキすることになります。

なのでブレーキレバーを100引くとして、機械的に0からいきなり100と握るとフロントタイヤが不安定な状態で強烈なブレーキが掛かるのでフロントから転倒します。これができる人はいないと思いますが…。

そこで0→100を転倒しない程度にできるだけ早く握るのが重要で、これは繰り返し練習して慣れていきます。

車体がまっすぐの場合、ブレーキを緩めればフォークは伸びていってしまいます。その伸び方はフォーク内のバネと空気の反発力で伸びて、フォークオイルの硬さや伸び側減衰の強さで伸びが遅れるわけですが、とにかくせっかく縮めたフォークが伸びて旋回力が落ちてしまいます。

そのためフォークが大きくストロークしている内に車体を寝かせて曲がり始めて、遠心力を掛けることで前後サスを沈めることが重要です。寝かせるにつれてブレーキはリリースしなければなりませんが、キレイに曲がって遠心力が強まっていけばさらに前後サスを縮めてくれて、前後の高さが同じくらいになることで最高の旋回力が出ることになります。

これには操作と体重移動の上手な組み合わせが必要で、ライディングにおいて最も重要なスキルです。

ちなみにフルブレーキするとリアタイヤの荷重がほぼゼロになり、グリップ力がなくなるのでリアブレーキを使うと危険。リアブレーキには様々な考え方がありますが、複雑になってしまうので少なくとも4ストでは使わないほうが良いと考えています。

加速とリアの関係

立ち上がりではできるだけ早くアクセルを全開にしたいわけですが、仮にライン取りの制約はないと仮定して、フロントブレーキと同様にリアタイヤの荷重と相談して開度を増やす必要があります。

現代のタイヤは超高性能と言えますが、それでも600ccでも120馬力、1000ccでは200馬力ほどあるために開け方を間違えれば簡単に滑ってしまいます(逆に言うと小排気量車はアクセルで滑ることが少なく安全なのも事実です)。

そのため旋回でフロントとリアの高さがほぼ同じで、荷重も前後で同じくらいの状態から開け始め、早めに開度を増やしていくことになります。アクセルを開けるほどにリアサスが縮み、リアタイヤの荷重が増えることでより強く加速できるようになるので、スムーズにできるだけ早く開度を増やしていきます。

アクセルを開け始めた途端にフロントの荷重はかなり小さくなり、従って車体はほとんど曲がらなくなります。そのため車体がしっかりコーナー出口を向いてからアクセルを開けないとロスになります。車体によってはアクセルを開けることでリアから曲がれるような感覚もあるかもしれませんが、本来のスポーツ走行では加速は直線的に行うものです。

サスのストロークとタイヤの荷重を考える

前輪荷重フォークリアサス後輪荷重
フロントブレーキ増える縮む伸びる減る
リアブレーキ縮む増える
エンジンブレーキ縮む増える
遠心力増える縮む縮む増える
加速減る伸びる縮む増える

車体姿勢や荷重の変化は上記の通りですが、より速く走るために上手に操作し、そしてサスセッティングを含めた車体作りが必要になります。

例えばSSでない一般的な市販車は、フォークのバネレートが低く、またフロントが高い傾向にあります。すると常にフロントが高めのためにフロントブレーキを強めに引きずらないと曲がりませんが、しかしバネレートは低いために姿勢変化が激しく扱いづらいことになります。

そのためバネレートを上げてストローク量を減らし、突き出しを増やしてフロントを下げることでバランスがとれるわけですが、ストックの状態から変更するので走行特性が大きく変わりデメリットも必ず出ます。この辺りは最初からサーキット走行を考えられているSSだと楽ということになります。

それと加えて、例えばブレーキすればフォークが沈みフロントタイヤが潰れる。フロントの状態は良くなるのですが、しかしフォークの理想的なストローク量とタイヤが必要とする荷重、これは違うものとなります。

タイヤによってどの程度潰す必要があるかは違うので、選んだタイヤに見合うブレーキを掛けられるストローク量となるようにする必要があります。

例えばツーリングタイヤであれば硬いため荷重をあまり掛けられず、ブレーキを強く掛けられないのでストローク量も小さくなります。プリロードはあまり掛けない方向になるでしょう。

逆にスーパーコルサのようなタイヤの場合、強いブレーキでタイヤを潰す必要があるためにフォークのストローク量も大きくなります。フルボトムまでの残ストロークももちろんですが、フロントブレーキを引きずる時のフロントの高さも考慮して、プリロードなどを調整する必要があります。

例えばフロントが低ければブレーキを引きずることでさらに下がってしまうため、詰まったような動きとなって引きずるのが非常に難しいはずです。そういう時はプリロードを掛けることで高くして、引きずっても前後の高さが合うようにします。逆にフロントが高すぎればフロントが外に逃げるアンダーステアになります。

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