常識すぎて誰も語らないバイク話

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SUZUKI DR-Z400SM

SUZUKIが超本気を出して作った400cc最強モタード! 力強いパワーと足の良さは大型乗りさえうならせる!

2021年1月5日「ウミガメ練習会。前ブレーキ中心の走りがわかってきた」

前回のパワー練から数ヶ月ぶり、DR-Z400SMに乗るのもそれ以来でほとんどジムカーナのことを忘れている状態で、ウミガメ練習会に参加してきました。

初めはコースアウト寸前、とても酷い走りでしたが、Ninja 250SLでバイアスタイヤで鬼ブレーキからのターンインを思い出して、いろいろなことが見えてきた有意義な練習でした。

車両はパワーバンドきむらで足回りを調整してあり、タイヤはα13SP、前後温感1.7、それ以外はノーマルです。

作成:2021年1月5日
カテゴリ:SUZUKI DR-Z400SM

はじめに、ノービスなのでまだまだレベルが低い話です

ジムカーナは上からA、B、C1、C2、ノービスというランク分けになっていて、ノービスはランク外という意味で一段と層が厚いです。自分もそこなので初心者が感じたことを書いてるだけになっていると思います。

また自分のバイクはモタードのDR-Z400SM、一番人気のVTRやSS軍団、新興勢力の400以下のオンロード車(Z400など)とはやはり走り方が違う気がしています。

自分のレベルで具体的に言うと、前後サスは柔らかくてストローク量は大きく、強いブレーキで大きくフォークを沈めてからのブレーキリリースで、強い切れ込みを発生させてフルロックで小回りする曲がり方です。大きくストロークさせた状態から強く伸びてくる中で切れ込ませる点が、最も大きな特徴だと思います。バンクだけではあまり曲がりません。

体の慣らしはニーグリップ、鬼フロントブレーキ

サーキットもジムカーナも同じだと思うのですが、久しぶりに走るとか初めてのバイクの場合はまず車体との一体感を得ることが先だと思います。

↓個人的にやる馴染み方。

  1. 両膝ニーグリップ、もしくは外側の内ももでのタンクホールド(サーキット向け)を超確実にする
  2. 直線でフロントブレーキをガッツリ握り、ジャックナイフ寸前まで握れるのを目標に反復練習
  3. 超強力なブレーキ+超強力なホールドで、速度を殺して小回りの練習をする
  4. ブレーキ開始点を遅らせることで、短く強烈なブレーキでフォークを沈ませることを意識
  5. フォークが超ストロークしたらブレーキを離し始めて、速度を殺さずに曲がり始めることを意識
  6. リリースの仕方を色々試して、怖くなくてコントロールしやすい切れ込みになるように意識
  7. ターンインからフルロックまで、腕の力を完全に抜いてもブレーキのリリースの仕方によって綺麗かつ安全にフルロック小回りできるように意識
  8. おまけで、上体は前傾でリーンインか、やや引いてリーンアウトかなど相性が良い動きを探す

やはり鍵はフロントブレーキ

一般的なオンロード車ってバンクすることで曲がる感覚です。ジムカーナではハンドルの切れ込みが大事ですが、例えばVTRならバンク5割、ハンドル5割くらいの感覚で曲がるのではないかと推測します。SSならもう少しバンク角依存。

ところがDR-Z400SMはモタードなのでバンク角3割、ハンドル7割くらいで曲がります。これは慣れないと手強い癖に感じます。寝かせるだけだとすっぽ抜けやすいです。

そこで強めにガツンとブレーキを入れてできるだけ大きくフォークをストローク、すかさず寝かし始めると同時にブレーキを半分くらい素早くかつ丁寧に離す。するとハンドルが強烈に切れてクルンと寝て超小回りし始める。

そこからさらに3割くらいまでリリースしてからが肝要です。3割からじわじわリリースしていくことでフォークが強く伸びようとするのをブレーキでいい感じに抑えつつ、ハンドルがフルロックまでクリッと切れます。DR-Z400SM独特のハンドリングです。

するとデカイ図体、高いシート高からは考えられないくらい小回りするんですよね。だからブレーキを使って前輪中心の小回りはしやすい。しかしブレーキできない時は辛いです。

ジムカーナならどんな車両でもフロントブレーキで切れ込みを制御してフルロックすると思いますが、DR-Z400SMは特にその感覚が強い車両だと思います。またSS以上にお金を掛けたフォークというのは恐らく本当で、ブレーキリリースでのハンドル切れ込みの制御がとてもしやすく腕の力も抜きやすいです。

フルバンク時は前傾?後傾?

速い方々の走りを見ていて明確にわかったのが、前傾してフロントで曲がる人と上体を引いて車体全体を寝かせて曲がる2種類があること。

前傾して曲がる人はフォークの大きなストロークでホイールベースを短くしてクイックに、前輪がブレーキと自分の体重で大きく潰されて絶大なグリップ力を得て、体重が掛かってるからフォークがなかなか伸びずに小回りできる。反対に後輪の接地圧は低いですから、下手するとやや流れ気味のように見えるくらい軽快に転がってます。

上体を引く人は突っ込みの勢いはやや抑え気味、前後が同じ高さで寝ることで綺麗に安定した挙動で曲がります。しかしフロントを自分の体重で抑えられないのでフォークは伸びやすく、クイックな動きにはなりません。

サーキットの場合は前者の曲がり方になるので、自分もそれを意識して練習しました。

弱いブレーキだとフォークは斜め下に入っていく感覚ですが、より握り込んでいくと真下に入っていく感覚が出てきます。

ライダーは前方につんのめるようにブレーキのGが掛かりますが、その時に強烈にニーグリップすることでタンクから自分の体重をさらにフォークに掛けます。そしてそこで背筋を伸ばしながら前傾して、リーンインになるように半身を出すイメージで腰をズイッと入れると、全力でフロントを押さえつける形になって安定した小回りをします。フロントタイヤだけに乗っかって曲がっている感覚。

なんで安定するのかは、フォークが大きく沈んだ状態で強く伸びようとするところを、ブレーキのGと自分の体重で全力で押さえつけてるので、バランスして強烈な接地圧が生まれながら小回りに繋がるからだと思います。

ここが前傾スタイルの最大の利点のはずです。上体を引く場合はどうしてもフォークが伸びやすく、軽快感はありますがフロントの接地感が気になるはずです。

自分は昔やっていたジムカーナの練習はもちろんつい最近までサーキットででも、後ろに座ることでフロントを軽くして寝かせて軽快に曲がるのが正しいと思っていました。しかしこの乗り方はフロントタイヤが荷重不足になりやすく、グリップ力を引き出せないので強く曲がれません。深く寝かせるのはわりと楽ですが、曲がり方が伴わない。(ちなみにこのミスで、お借りしていた先輩のNSR80で転倒しました…ゴメンナサイ!)

上体を引くのが間違いとは思っていません。特にブレーキが掛けられないところでは前輪メインで曲がるのが難しく、上体を引くことでハンドルをフルロックしながら車体全体を寝かせて曲がるしかない時もあります。使い方次第だと思います。

半クラを少し使いたい場面も…

前回パワー練に参加した時に、パワーバンドきむらの社長から「半クラを使うな。ニーグリップをちゃんとしろ」と注意されて守っているのですが、自分のDR-Z400SMだとニーグリップしていればほとんどの場面で半クラを使わなくても自然に走れることがわかりました。アイドリング回転数は上げています。

しかし回転だけは半クラを使わないと、ハンドルはフルロックなんだけどバンク角は中途半端で速度も出てないという感じになります。

まずはニーグリップとセルフステアを確実にするためにアドバイスしてくれたはずで、そのおかげでかなり自然に走れるようになってきたと思っています。さすが社長!

多分C2とかC1になったら半クラを使う手もあるよ、という流れになるのではないかと思います。今は半クラよりも他に集中すべきなのかなと。

でもあまりブレーキを掛けられない狭いセクションでは車体が外側にどんどん押し出される感覚があるので、ここも半クラ使ったらやりやすくなるのかなと推測してます。

DR-Z400SMはやっぱりスゲーバイク

はじめてのモタードです。SSやネイキッドとはハンドリングが全然違います。

戸惑いもありつつも、そのストロークを使えた時の驚異的な曲がり方を実感すると、コイツはやっぱり凄いバイクなのは間違いないと思ってます。現状だと人間が全くついていけてないですが…。

モタードって本来はリアを滑らせながら曲がる乗り物だと思うんですが、ジムカーナだと完全グリップ走行で、むしろフルロックで小回りする乗り物なんですよね。四輪で考えると、サーキットではドリフトするけどジムカーナではグリップ走行…逆じゃない??? とても不思議です。

最後に、ジムカーナはとても面白い!

こんなことを言っては怒られそうですが、サーキット走行以上に操作する量というか気をつける部分が多く、めちゃくちゃ奥深く難しいです。

もちろんいきなり全部上手くはできないから少しずつ良くしていくのですが、常に自分との戦いでチャレンジし続けられてやり甲斐があって面白いです!

サーキットももちろん面白いですが、ジムカーナはなんというかただ走るだけでも身近に難関がひしめき合ってて、同時に処理しながら駆け抜ける感覚があります。

サーキットもジムカーナもまずホールドを確実にした上で、素人に大事なことの7割は「フロントブレーキ」に詰まっていると思います。2021年はフロントブレーキの年にしたいです。

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