常識すぎて誰も語らないバイク話

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バイクのお話

バイクへの考え方や接し方、また実際のところとかを自分の経験を交えて書いています。

バイクに優しい暖機運転の行ない方 (後編)

よく見られる、アイドリング放置や空ぶかしによる暖機はバイクを壊します。アイドリングより少し高めの回転数を使って、手際よく行いましょう。

作成:2008年3月8日 / 更新:2008年3月23日
カテゴリ:バイクのお話

暖機はエンジンとバイク全体の2段階がある。

暖機運転にはまずエンジンを暖めることと、次に走行しながらタイヤ・サス・チェーンなどバイク全体を暖めることの2段階があります。

停止時のエンジンの暖機

まずインジェクション車の場合はコンピューターが全て勝手にやってくれるので、クラッチを握りながらセルを回すだけです。数秒でアイドリングが安定するはずなので、そうしたらもうゆっくり走り出せます。

以下はキャブ車の場合で、チョークを引いたりスロットルを少し回す必要が出てきます。

エンジンを切ってから2時間以内など、エンジンがかかる見込みが高い場合はチョークを引かず、アクセルにも触れずに始動します。手が空いてるなら安定したアイドリングをしている状態で、少しスロットルを回して回転数を高めた状態を維持します。それを3〜7秒でも続ければ走り出せるはずです。

エンジンが冷めてしまっている場合はチョークを引き、やはりアクセルには触れずに始動します。チョークはガソリンの供給量を増やして始動しやすくするためのものなので、アイドリングの安定を見ながらできるだけ早くチョークは戻していきます。不安定になったらチョークを引き直したりアクセルをわずかに煽ります。

低速走行でのバイク全体の暖機

停止時での暖機はあくまでエンジンとその周辺だけのものなので、それ以外のタイヤ・サス・チェーンなども暖機してあげる必要があります。

40km/h くらいを目安に速度を一定にして 2〜3km くらいを低速走行して下さい。急加速を避け、回転数はできるだけ低く保ち、回すとしてもレッドゾーンの1/3くらいが目安です。ここまでやってあげれば暖機運転は完璧です^^

ただし、暖機運転は回転数を低い状態を続けてしまうため、カーボンスラッジがどうしても溜まりやすいです。そのため、乗るたびに何度かは高回転まで回してカーボンスラッジを燃やしてあげると、エンジンを好調に保てます。毎日短い距離を通勤している方などは、暖機運転のせいでカーボンスラッジが溜まりまくる危険性もあります。その場合は、エンジン添加剤などで綺麗にしてあげるといいと言われています。(私は試したことないです)

タイヤの暖気

タイヤはゴムの性質上、冷えている時はとても滑りやすくなっています。熱が入っている時と冷えている時の差はタイヤの銘柄によって全く違い、ツーリングタイヤとして売られているものは冷えている状態でもそれほど気を使う必要がないほどにはグリップします。しかしスポーツ走行用のタイヤはものによっては冷えている時は全くグリップしないものがあり、丁寧にタイヤを温める必要があります。

タイヤを温めるというと蛇行運転したり、少しずつバンク角を増やしていくようなやり方がありますが、タイヤを温めるという観点から見るとあまり有効ではありません。路面に接するタイヤ表面の温度は上がるかもしれませんが、タイヤに負荷をかけない温め方なのでタイヤが捻れず、内部が温まらないためです。

一番早く温めるには直線で急加速と急減速を繰り返します。すると急加速では後輪に強い駆動力がかかりタイヤが潰されて内部から温まり、急減速では今度は前輪が同様に温まります。これを何度か繰り返せばタイヤは次第に温まり、本来の性能を取り戻していきます。

ただしサーキットでの直線での急加速と急減速は危険行為なので、そういった周囲のライダーがいる場ではコーナーは浅いバンク角でゆっくり走り、車体を立てた状態で強く立ち上がり加速して、ターンインで車体を寝かせず強く減速して少し大げさに速度を落としてタイヤに負荷をかけます。

ちなみに、そういった冷間時では性能を全く発揮しないタイヤ(特にスーパーコルサなどのプロダクションタイヤ)は温まっていないと消耗が激しかったり傷んだりします。なので理想はタイヤウォーマーを使って温めてから走り出すことです。もちろんこれはサーキットでの話で、一般的に売られている公道用タイヤでは急加速と急減速で慎重に温めれば十分に対応できます。

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