常識すぎて誰も語らないバイク話

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バイクのお話

バイクへの考え方や接し方、また実際のところとかを自分の経験を交えて書いています。

トミン 30秒の壁突破を目指す記事

ここ最近、上手く走れた時は安定して30秒を切れるようにようやくなってきました。これまでは何も考えずにがっつりブレーキ・バンク・アクセルの根性走りでしたが、安全に速く走るにはライン取りがあることがわかってきました。

そこで初心者の視点から、30秒を切るために必要なライン取りの1つを全力で考えていきたいと思います。ようやく30秒を切れた私が偉そうに教えるという気は毛頭ありません。私と同じように30秒の壁で苦しむ方へ、何らかのヒントになればと思い書きました。

作成:2018年10月1日
カテゴリ:バイクのお話

奥まで行ってから曲がるライン取り

トミンのコースってよく見るとテクニカルなコーナーが多いことに気づきます。シンプルなのは第一コーナーと唯一の左コーナーで、他の2つの右コーナーは曲がりがきつくてライン取りが難しいです。

知り合いで25秒9がベストのCBR600RRの方がいて、ライン取りが効率的で美しかったので動画からレコードラインをトレースしてみました。

↓びっくりすることに360度対応動画です! 見渡すことでより詳しくラインやタイミングがわかり、さらに操作まで見えます!

tomin_record_line_600rr2s.png tomin_record_line_600rrs.png

※クリックで拡大します。青は加速、赤は減速、赤の横線はブレーキを完全に離す地点。CP=クリッピングポイント。

動画があるし、気にすることはほぼ全て画像に書き込んであるのですが、あえて冗長に詳しく見てみようと思います。読むのが面倒な文字量ですが、ちょっと今回は細かいところまで書いたほうがいいと思ってです。ご了承ください。

第一コーナーは突っ込んで「アウト・ミドル・イン」

スタートラインを少し超えた辺りでブレーキを掛け始めます。ビビってもっと手前から掛けたくなりますが、ここは直線でブレーキしすぎないことが大事なのです。

実はその後の緩い左切り返しをアクセルを開けて直線的に抜けるため、第一コーナーは「アウト・ミドル・イン」というライン取りにしなくてはいけません。何も考えず前半でブレーキを使うと必ず「アウト・イン・ミドル」になってしまいます。

速度が落ちすぎると中盤でインに寄ってしまい、ラインが苦しくなってアクセルを少し開けてしまって最後は膨らむ。そうするとその後のつながりが悪くなります。

なので直線でブレーキしすぎず、高い車速で直線的に突っ込んで終盤までブレーキを薄く掛け続け、徐々に減速してかなり奥のところで完全リリース。そこでフォークが伸びることで一気に旋回力が上がり、一気にインについてそのまま立ち上がります。

書くと大したことなさそうなことですが、初心者からすると「奥に刺さりそう! ブレーキしたい!」という衝動を抑えて高速で突っ込んでいかないといけません。曲がりきれる速度まで落としてからターンインする癖がついているためです。コースアウトする覚悟で突っ込みます。

トミンは3つのコーナーがこの手の「奥で一気に曲がるコーナー」なので、いかにマシンに慣れて怖がらず突っ込めるかになります。サスセッティングも必要になるかもしれません。

上手い人から見れば違うのですが、初心者からすると「極端なV字ライン取り」をするつもりで練習すると良さそうです。私はそのつもりでやったのですが、それでも全然V字じゃなく普通に緩やかなRのラインになっていました。とにかくコーナー奥の方まで速度を殺さない、これが大事です。

私自身、第一コーナーは苦手でライン取りができてないので現状はこれ以上書くことがありません。上手くできたら書き足します。

tomin_record_line_600rrs.png

帝王コーナーは複合コーナーで「イン・ミドル・イン」

左切り返しでCPに付き、ブレーキを引きずりながらインをかすめて奥に突っ込んでいきます。

ここも最初で減速しすぎたりバンクしすぎないことが大事で、減速に耐えるため上体を少し起こし気味で内側にもあまり入れず高速で突っ込み、縁石に差し掛かった辺りで曲がりを強めていくために体重移動していきます。

そしてブレーキを完全にリリースするのはちょうどコース幅中央ほどまで進んでから。奥に突っ込むほど、出口が直線的になるのがわかると思います。

ただしトミンのここはちょうどその中央のところに段差があり、それを超えてしまうと車体が暴れてしまいます。難しいですが、段差を超えないぎりぎりのところでブレーキをリリースして一気に曲がるようにします。

完全リリースしてもアクセルを開けずに我慢して、フロントが切れ込んで小回りしてくれるのを待ちます。これができない場合は前後姿勢や前後の伸び側減衰力のサスセッティングが必要かもしれません。小回りを待たずにアクセルを開けるとダラダラした定常円旋回に移行してしまいます。いかに立ち上がり加速を直線的に行えるかが重要です。

tomin_record_line_600rrs.png

左コーナーは早い段階から根性フルバンク

帝王コーナー立ち上がりでしっかり加速できたら、忙しくすぐ左コーナーになります。ここは私が一番苦手な場所で遅いので書けることはほぼないです。

強いて挙げれば、他のコーナーと違いここは早い段階で全力でフルバンクさせること、ブレーキは最後まで残すこと、逆操舵も必要そうだということくらいです。私が乗るとハンドルが切れ込んでくるため、少し力を入れて押し戻しながらとにかくバンクさせたほうが良さそうです。

そしてコンパクトにインについた状態でアクセルを大きく開け、アウト側まで膨らみます。リッターだとフロントの接地感が怖いですがやはり開けていきたいところです。

tomin_record_line_600rrs.png

最終コーナーもやはり「イン・ミドル・イン」

体感とは異なりますが、走り方は帝王コーナーに似ていると思います。

直線の部分から斜めにターンインして、左のCPについてすぐ右の縁石をかすめながら直線的に突っ込みます。奥までライン的に直線とすることで、浅いバンク角で体も起こし気味で高い車速で突っ込めるようになります。右の縁石に差し掛かる辺りで強くバンクさせていき、意識的にかなり奥まで過ぎてからブレーキを完全リリースして強く曲がります。すると出口が直線的に見えてくるので、立ち上がりで強くアクセルを開けられます。

私もそうですが、最終コーナーに苦手意識がある人はインベタ、もしくは中盤でインについてしまっていて、ライン的にアクセルを早すぎる段階で開けざるを得ないケースだと思います。するとダラダラ旋回になって立ち上がり加速まで上手く繋がらない。

それは「ここで曲がろう!」と思うタイミングが早すぎて小回りしすぎているためです。その「曲がろう!」というタイミングをかなり奥にとることで、そこまでは減速を控えめにして素早く到達でき、出口が直線的になって立ち上がりが楽になります。

私もこの意識でやったのですがそれでも減速しすぎていてラインが苦しく、ギャラリーに向かって突っ込むくらいの意識でブレーキを我慢したほうがいいと思います。そして奥で一気にフルバンクさせて小回りする。これが難しいのですが、まず高い車速を保つことと、奥で一気に曲げるの2点を徹底することでよくなっていくのではないかと思います。

帝王コーナーと共に、45度を超えるような本当に深いバンク角にするのはブレーキリリースをした辺りで、そこまではバンクは逆に控えるようにします。そうしないと高い車速で突っ込めないし、ブレーキも使えなくなってしまいます。動画でも、ブレーキリリースのタイミングが一番バンクしています。

ホームストレートは当然アクセルを全開にすることが大事で、リッタークラスだとどうしても開けきれないことが多いのですが、タイムを縮めるのは直線が一番楽です。コーナーで頑張るくらいなら直線で稼ぐつもりで私は開けてます。

もちろん違ったライン取りもある

上記のライン取りは理論的だし様々な車種で使えるのではないかと思いますが、ライン取りは他にもあります。帝王コーナーと最終コーナーで、一度まっすぐ直線的に突っ込みながら減速し、序盤で小回りしてからアクセルを開けるライン取りもあります。「し」を上下逆にしたようなライン取りです。

人によって好みはあるので色々試していいものだと思います。初心者視点からすればとにかく、ターンイン初期で減速しすぎず、車速を保って奥まで進んでいくという、サーキットならではのライン取りに慣れるのが一番大事な気がします。

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