常識すぎて誰も語らないバイク話

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SUZUKI KATANA (新型カタナ)

スズキがついに出した令和の新型カタナはその名に恥じぬ名車と言える完成度。楽しいバイクとは何かを知り尽くしているスズキだからこそ作れた最高のバイクだ。

新型カタナのワインディングでのサスペンションセッティング

新型カタナを買う人は街乗りと山道がメインでサーキットを走ることはあまりないと思います。そこで山道・峠を走る上での足周りについて考えてみます。

作成:2024年2月25日
カテゴリ:SUZUKI KATANA
  • 新車購入で走行14000km時点。
  • タイヤはブリジストン RS11、冷感F2.5、R2.9。
  • ライダーの体重 55kg。

追記:2024年6月23日時点でのベストセッティング

場所ストック設定自分の設定
F Preload最弱から2目盛り締め最弱から1.5目盛り締め
F Comp最強から2回転戻し最強から4回転戻し
F Tension最強から8クリック戻し最強から8クリック戻し
R Preload左から3段目左から3段目
R Tension最強から1回転戻し最強から2回転戻し

RS11がスリップサイン以上に摩耗して、ブレーキキャリパー清掃時にパッドを入れ替えて付けてしまったせいかブレーキでジャダーが出るので、フロントの減衰を強めました。この状態でセッティングを進めようとしてもほとんど意味がないので、タイヤ・ブレーキパッド交換をしてからまた考えていこうと思います。

追記:2024年5月18日時点でのベストセッティング

場所ストック設定自分の設定
F Preload最弱から2目盛り締め最弱から1.5目盛り締め
F Comp最強から2回転戻し最強から4回転半戻し
F Tension最強から8クリック戻し最強から12クリック戻し
R Preload左から3段目左から3段目
R Tension最強から1回転戻し最強から2回転戻し

ストックの前後の車高バランスをまず考えます。

リアの高さは調整幅が7段階あるものの、ストックの3段目(最強から5段目)が旋回性と安定感のバランスに優れています。2段目にするとリアが低く、ビッグネイキッドのようにグワンとワイルドに寝かす大味感が出て、バンク角のわりに曲がらなくなります。4段目にすると旋回性は上がりますが、安定感が減ってやや気難しい挙動になり、ライン取りがやや難しくなります。

フロントはストックでは高く、フロントフォークが長くて地面が遠い感覚でアンダーステアが出ます。最弱から1.5目盛り締め(真横から見ると目盛りが4本ギリギリ見える位置です)までプリロードを弱めると、フロントの高さが下がるためフロント荷重が増えてグリップ力が増し、安定した旋回ができるようになります。

この前後バランスでSSっぽい気持ちいい挙動になりますが、フロントは微調整したらもっと良くなるかもしれません。

そしてストックでは山道を走るには減衰力が強すぎて、サスペンションの動きが渋いです。これが接地感の薄さやライン取りのしにくさ、車体の大柄感に繋がっています。減衰力を強めるのが好きな人もいると思いますが、私はカタナに関しては減衰を抜いたほうが活き活き走れると感じました。体重がもっと重い方や速度域が高い場合はもっと減衰を効かせてもいいかもしれません。

この前後車高と減衰力なら前後サスが良く動くため、車体の動きをしっかり使って前後タイヤに荷重を掛けて潰して安心して走れます。あとはしっかり上体を下げて重心を落として乗ることを心掛ければ、山道をハイペースで走れるはずです。

↓以下は過去の記事。

追記:2024年3月17日時点でのセッティング

場所ストック設定自分の設定
F Preload最弱から2目盛り締め最弱から1.5目盛り締め
F Comp最強から2回転戻し最強から2回転戻し
F Tension最強から8クリック戻し最強から10クリック戻し
R Preload左から3段目左から3段目
R Tension最強から1回転戻し最強から1回転戻し

いくつか試したのですが、やはりフロントがやや高いことが気になったのでフロントのプリロードを0.5目盛り柔らかくしてフロントを下げました(真横から見ると目盛りが4本ギリギリ見える位置です)。

すると伸び減衰のやや効き過ぎで、バンクさせてもフロントが沈みきらずハンドルも中途半端に切れて残る感じがあったので、伸び減衰を2クリック柔らかくするとバランスがとれて非常に乗りやすくなりました。

しかし下り坂のブレーキングでジャダーのようなものが起き、どうやら下りのブレーキで圧減衰が効きすぎているようなので、今回は時間がなかったのですが次回は圧減衰も少し柔らかくしてみたいと思います。

ネットを見ていると突き出しをしてフロントを下げると良いと書いてあったのですが、突き出しを変えるのは手間がかかるし、バランスが変わりすぎるかと思い、今回はやりませんでした。

新型カタナはかなりスポーティー

まず新型カタナの特性をタイヤ抜きで考えてみます。まず特性的にはかなりリッターSSに近いです。スポーティーさが特徴とされるストリートファイターの中でも、かなり硬派でSSに使いです。

リッターSSと比べると、少し重い・少し直進安定性が強め・弱アンダーステア・ハンドルが高く大柄・接地感が薄い・前後サスは少し柔らかめといった感じ。

上記の通りフルバンク時にややアンダーステアを感じるため、タイヤとしてはコントロール性が高いRS11がベストマッチに感じました。

SSのようにミラーにヘルメットが当たるほど上体を伏せると、重心が下がりフロント荷重が増すので旋回性が上がります。アンダーステアに悩む場合は思いっきり伏せましょう。

リッターSSと乗り味を比べると

新型カタナの戦闘力はかなり高いです。そのためついついリッターSSと比べてしまい、乗りやすいけど弱アンダーでコーナリング速度で勝てないなと感じやすい。

具体的に言うと、ターンイン速度を高めていくにつれてフロントの舵角と接地感が気になりだし、フルバンクで曲がり切れるかが気になってきます。SSならコンパクトに曲がれるところで、フロントの高さとアンダーと接地感の薄さを感じます。

が、この時点でかなりのハイペースのはずでリッターSSと比べることに無理があると思います。新型カタナの戦闘力はかなり高いですが、「楽しむ」ことを重視されています。SSと比べると加速力重視のエンジン特性・減速比でしかも弱アンダーなので、直線を楽しみやすい特性なのです。

サスセッティングのバランスはとれている

ストックのサスセッティングで山道を走ると非常にバランスがとれていて不満がないのですが(アンダー感はあります)、フロントフォークの残ストロークはかなり大きく、ストロークを有効に使えていないのがわかります(体重55kgが1つの原因でもありますが)。

150馬力のリッターマシンなので、山道程度では大きくストロークしないのは当然なものの、もう少し前後サスを動かしたくなります。

しかしストックではバランスがとれているので、ここからプリロードや減衰力、突き出しを変えればバランスが崩れてしまいます。正直、そこまでワインディングでの楽しみを追求して迷宮に入る必要があるのか、疑問です。

ですがもう少し前後サスを動かして姿勢変化する方向へ持っていきたいので、プリロードを緩めて減衰も弱くする方向で試してみたいです。うまいサスペンションセッティングが見つかったら報告します。

とりあえず新型カタナはサスペンションによほどこだわりがある人を除き、ストックのセッティングで乗ることをオススメします。

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