常識すぎて誰も語らないバイク話

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SUZUKI KATANA (新型カタナ)

スズキがついに出した令和の新型カタナはその名に恥じぬ名車と言える完成度。楽しいバイクとは何かを知り尽くしているスズキだからこそ作れた最高のバイクだ。

新型カタナ ダンロップ ロードスポーツ2 インプレ

新車購入してから履き続けているロードスポーツ2の街乗り・スポーツ走行インプレッションです。新車装着タイヤ(OEタイヤ/OEMタイヤ)なので市販品と若干違う可能性があります。

作成:2022年5月24日
カテゴリ:SUZUKI KATANA

総評 コスパ8 ライフ8 グリップ 6

一言で言うとスポーツタイヤとしてはライフが長いのでコスパは良いが、グリップ感が希薄なため安心感にやや欠ける、そんなタイヤ。

前後タイヤ指定空気圧、前後サス標準設定でのインプレ

街乗りのインプレ

バイクの場合、街乗りの楽しさはタイヤよりエンジンなどで決まると思うのであまり街乗りを考慮する必要はないと思うが、OEMタイヤでカタナ用に調整されているだけあって特性は合ってると思う。

ダンロップらしく軽快でスッとバンクするので、交差点や町中のカーブで軽々曲がれる。反面、軽快すぎるところもあるので、例えば上体が起きていてハンドルに力が入ってる時などは恐怖感を感じやすい。接地感やブリジストンのような滑らかにバンクしていく感じが薄く、タイヤ自体が固めな印象。

カタナはバーハンでハンドルが高いので、上体が起きたままフロントを食いつかせずにいるとアンダーが出やすい。ブレーキや体重移動でフロントに荷重を掛けると街中でもグイグイ曲がるので、そこを理解しておけば軽快で優秀なタイヤと言える。

tyre_dunlop_roadsport2_front.jpg tyre_dunlop_roadsport2_rear.jpg

←6500km時点でのタイヤ。フロント、リア共にセンターはスリップサイン間近。

サイドはまだ溝がいくらかある。

スポーツ走行のインプレ

スポーツタイヤとして見ると素のグリップ力は高くない。あくまで頑張って潰してグリップ力を高めて、初めて活き活きとするタイヤ。

「タイヤなんて潰すの当たり前だろ」と思うかもしれないが、近年は柔らかくて寝かすだけでもグリップするピレリ製のスーパーコルサやロッソコルサ系統が浸透しているので、私も含めてそちらに慣れ過ぎるとこういう硬いタイヤが「固くて接地感がなくて飛びそう」と感じてしまう。

とにかくバンクが軽快である。カタナの場合、SSを乗ってるイメージで前傾してフロントを潰していかないと、バンク角と重心のバランスが合わずに曲がらずアンダーが出る。高いハンドルに騙されてはいけない。

右コーナーのターンインと仮定して、右でも左でもいいのでややバンクさせながら強くブレーキを掛けてタイヤを大きく潰しフォークをストロークさせ、シート上を滑るように前方内側へ尻を移動すると安定して曲がる。このライディングの基本的な曲がり方をする限りは軽快感を楽しみながら安心して攻めることができる。逆にこうしないと全然曲がらないタイヤ。

タイヤが硬いので荷重をしっかり掛けていても「絶対に大丈夫」というようなグリップ感はなくて、「これだけ掛けてるから多分大丈夫」というような印象。ダンロップタイヤ全般に言える特徴だがタイヤの潰れ感が少なく、この辺りはピレリやブリジストンの方が安心感がある。

ただしライフが長く、6500km走行でしかもスポーツ走行の割合がかなり高いのに、まだ不満なく峠をスポーツ走行できる。6500km走行で他社製が100点から60点に落ちるところ、85点から72点に落ちているがまだ使えるような感じ。交換してもいいけどまだ走れるという状態なので、ライフはかなり長い。

カタナは屋内保管しているため、紫外線からのダメージが少ないことが一因かも。

6500km時点での性能

前後タイヤ空気圧:温感2.2、前後サス標準設定でのインプレ

指定空気圧ではタイヤが硬すぎでほぼ潰れず、接地面積が少なく安定感がない。そこで前後とも温感で2.2(冷感だと1.9〜2.0くらい?)にしたところ安定して走れるようになった。

フロントはターンインから接地感が出て、剛性が減って明らかにブレーキを引きずりやすくなる。セルフステアが強まって曲がりやすくなり、ターンインがしやすくなった。

リアは車高が下がる感じがあり、同じバンク角なら指定空気圧の方が曲がるが、ややオーバーステア感が出て向き変えがしやすくなった。自然にグリンとバンクするのでコントロール性が上がり、立ち上がりでもタイヤが潰れて明らかに開けやすくなった。

スリップサイン間近の状態としては明らかに乗りやすく、グリップ感はやや不足しているが必要な分はグリップする。軽快感はあるが逆にオンザレール感はなく、どっしり感やしっとり感とは無縁のタイヤ。バンク中のブレーキではタイヤがたわまないため車体が起き上がりやすい。

皮肉でなく、タイヤに頼った走りができずに常に全力で良いコーナリングを試行錯誤する必要があるため練習には向いている。自分の中で色々試して成長を自己満足で楽しむ分にはいい…が、ハイグリップタイヤを履いたSSには確実に負ける。そんなタイヤ。

タイヤに高望みしない人には良い選択肢

OEMタイヤなので市販のロードスポーツ2とは若干違う点があるかもしれないが、ライフが長くコスパが良く、スポーツ走行もできるという平均点が高いタイヤなので、ほどほどのタイヤで良いという人にはオススメできる。

軽快感があるので、ブレーキを使ってフロントにしっかり荷重を掛けられる人ならどんな場面でも俊敏な動きをすることができる。反面、荷重が掛かっていないとアンダーが出やすく曲がらないので、楽に曲がりたい、コーナリングの選択肢を広げたいという人は選んではいけない。

また荷重を掛けても絶対的安心感は得られないので、本当に気持ちよくコーナリングしたい人も選んではいけない。安心感は楽しさに直結するので、スポーツ走行第一の人はやめておこう。

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