常識すぎて誰も語らないバイク話

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HONDA VT250 スパーダ(SPADA)

伝統のVTエンジンをアルミ製のCASTECフレームに搭載、この上なく取扱いに優れたライトウェイトスポーツ。250クラスの1つの完成品。

VTの系譜

VTシリーズの歴史をご紹介します。私はバイクやその歴史にそんなに詳しくないので、簡単な説明に留めます。

作成:2009年5月20日
カテゴリ:HONDA VT250 SPADA

VTの系譜

VTは元来、ホンダが4ストで2スト勢に勝利を収めるために開発されました。

シリーズ最初のバイクが VT250F です。FC〜F2Hまでのモデルがあり、またカウルを無くした廉価版としてVT250Zや、フルカウルのインテグラなどの派生形もあります。エンジンは高回転型で、400ccと共通のフレームが標準だった250ccクラスとしては珍しく専用設計であって、当時4スト250ccとしてレーシーなバイクだったようです。

その後、VT250Zの後継としてカウルを外してフロントを17インチにした VTZ250 が登場して、これが安くて安定した性能を持っていたことでビジネス用として特に人気を博し、どうやら「VTシリーズ=ビジネスバイク」というようなイメージに繋がったようです。もっともその後、4ストのスポーツバイクはレプリカが中心になっていきましたから、棲み分けとVTの安定した性能を考えれば、これは仕方のないことでもあります。

そして、その次に登場したのがこのスパーダ(SPADA)です。高回転型だったエンジンを実用域である中低速重視のトルク型にして、その他にも色々と現代的な改良が施されています。とにかく乗りやすくて、特に街乗りとの相性は抜群となっています。しかし、4ストのスポーツバイクはレプリカへ、廉価バイクは VTZ250 があったので、別段安くもなくレプリカのように尖っていもいないスパーダは、あまり支持されなかったようです。つまり不人気車です。

その次のVTとしてはゼルビス(XELVIS)が出ました。これはツアラーに近い性格となっていて、大きめのハーフカウルとやや重い車重、ピークパワーを削って実用域をさらに重視したフラットなエンジン特性となっています。実に実用的ではありましたが、残念ながら市場にはあまり受けなかったようで、スパーダと同様に不人気車であります。

シリーズの現行型モデルが VTR で、これは性格的にはスパーダに近いと思います。ピボットレス・トラスフレームを採用しているのが特徴で、ドゥカティモンスターシリーズの模倣だと言われますが、私としてはそんなに気になりません。

私がここで言いたかったのは、安くて壊れないということでバイク便に愛用されて、実用車というイメージが強く広まっているVTシリーズですが、本来打倒2ストとして開発された熱いバイクなのだ、ということです。

参考:
ホンダ プレスライブラリ VT系
Wikipedia ホンダ・VT (2009.05.17)
Wikipedia ホンダ・VTR (2009.05.17)

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