常識すぎて誰も語らないバイク話

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ライディングテクニック鍛錬の間

様々なバイクがあれど、よほど極端な車種を除きライテクは共通しています。公道やサーキットで安全に速く走る乗り方をみなさんにぜひ知ってほしいと思います。

重いバイクがなぜ曲がりにくいのか

どんなバイクでも速い乗り方は共通なのですが、しかし重くなるほど乗りにくくなる傾向にあります。どうしてそうなるのかをゆるーく見ていきます。

作成:2018年1月16日

重いバイクはなぜ曲がりにくいのか

バイクが重いほど曲がりにくいというのは誰でも知ってると思いますが、少し具体的に分解してみましょう。

加速しづらく、止まりにくい

まず重いと走りにどう影響が出るかというと、加速が遅くなり、減速もしづらくなり、そしてコーナリングではタイヤにより大きな負荷をかけるのでグリップ力をより消費します。

加速度(a)=力(F)÷質量(m)

いきなりの数式で戸惑うと思いますが、凄い簡単なのでさらっといきましょう。私自身、文系の人間で物理はよくわからないので!

まず加速度というのは「1秒間で変化する速度」です。バイクがアクセルを開けて加速する加速力を、1秒ごとにどれだけ加速するのかという面から見るというわけです。

で、式の右側を見ると「力÷質量」となっています。質量は重量、重さと考えればOKです。つまり力を重さで割ると「加速度=1秒間で変化する速度」がわかるのです。その力というのはエンジンパワーのことですね。

だから式にするとわかりづらいですが単純で、150kgのNSR250Rと300kgのフル装備白バイでは同じエンジンパワーでは2倍も速度の乗り方が違うということです。逆に白バイでNSRと同じ加速にするには、2倍大きなエンジンパワーをかけないといけないということにもなります。

ここでいうエンジンパワーとは、スロットルを開けて後輪に伝えられたパワーだと思ってください。現実ではフリクションとか空気抵抗とか色々あるので厳密には違いますが、そこまで細かく考える必要はないです(笑)

次に減速はブレーキを使って加速の逆向きに力を与えていると考えられ(バックはできないけど)、やはり重さのぶんだけ止まりにくくなります(詳しくは後述)。シングルディスクなフロントブレーキは軽量バイクばかりで、大型バイクがダブルディスクなのはエンジンパワーの差もありますが、第一に重いと止まってくれないからです。

するともうわかりましたね? 重いバイクは加速しづらい上に減速もしづらい。加減速により大きな力が必要というのがまず1つ。

実際は運動エネルギーをブレーキパッドで熱エネルギーに変換して減速してると思いますが、わかりやすさ重視で…。熱力学って難しいらしいです…。

重いほど同じ速度でもより大きなエネルギーを抱えている

重いバイクでは同じ速度に達するにもより多くの力が必要ということは、それだけ大きなエネルギーを持っちゃってるということなのです。例えばバイクが80キロでぶつかるのと、満載のダンプが80キロでぶつかるの、どちらが破壊力があるか明らかですね。バイクは勢い良く加減速できるがダンプはゆったりした加減速です。

逆に言うと、バイクとダンプで同じエンジンパワーで加速したら、持っているエネルギーは同じだが速度が違うということになります。エネルギーが同じなのに速度が違うのは、重さが違うからということです。

つまり重いバイクは加減速が大変な上、速度が出てる時はそれだけ大きなエネルギーを抱えちゃってることになります。

運動量(mv)=質量(m)×速度(V)

ここで2つ目の式です。これも簡単なのでさらっと見ていきましょう。上記の抱えちゃってるエネルギーが運動量と呼ばれるものです。式の右側を見ると、「質量×速度」となっています。速度はそのままスピードなので、80キロで一定と考えれば重いバイクほどその運動量(持ってるエネルギー)は大きいということです。

重いバイクほど曲がりづらい

そして全ての物体には慣性というものがあり、仮に80キロで走っているとしたらそのままずっと80キロでまっすぐ走り続けようとする性質があります。

で、コーナリングする時は進路を曲げる必要があるのですが、ここでそのバイクが抱えているエネルギーの大きさが問題になるのです。曲がるためには横方向に力を加えて進路を変えないといけないのですが、運動量が大きいほど簡単には曲がってくれないのです。

遠心力=質量(m)×半径(r)×角速度(ω)×角速度(ω)

3つ目の式です。複雑になってきましたが、大まかな意味だけわかればいいのでさらっと見てみましょう。

角速度というのは「円を1秒間に何度移動したか」を表しますが、今回は完全に無視します。すると残るのは「質量×半径」やっぱり質量が大きいほど遠心力が大きくなるんじゃないか! ということがわかります。

だから重いバイクほど遠心力が大きくなる。遠心力はバイクに対して横方向に、コーナー外側へ向かってかかる重さですから、大きいほどそれに耐えるためにタイヤに大きなグリップ力の負担がかかります。重い大型バイクが太いタイヤを履いているのは、この遠心力に耐えるためという理由が大きいわけですね。

一方、タイヤを太くすると接地点の移動量が大きくなってダイレクトさが失われたり、立ちが強くなって寝かせづらくなったりとそりゃもう様々な欠点が出てきます。なので軽量車は一般的に細いタイヤを履くわけです。ホーネットって一体なんなんだ

ここまで簡単なまとめ

そろそろ頭が痛くなってくるのでここでさらっと振り返ってみましょう。

重いバイクほど直進安定性が高くなって曲がろうとしてくれないし、いざ曲がり始めると遠心力が大きくてタイヤへの負担が大きい。重いことでタイヤに安定して荷重がかかったりとメリットもありますが、デメリットのほうが大きいのでスポーツ走行においては軽いのが絶対正義となっております。

なので重いバイクほどコーナリングが大変で、操作も難しくなってくるということです。実際は大型バイクはパワーも大きいので重いから遅いというわけでは決してありませんが、扱いが難しい上にパワーを発揮できなければ何も有利な点はないということです。そしてもし重いだけでパワーがないバイクなら最悪の状況というわけです。

なのでスポーツ走行に慣れてない人が安全に楽しく走るには、250クラスの軽量車のほうがいいというわけですね。大型バイクで練習するのはそれだけ色々難しくなってしまいます。ただバイクは楽しいのが一番に決まってるので、大型に乗りたければもちろん大型に乗るべき。ただその分、難しくなるのは覚悟してね、というだけです。

以下は参考にしたサイト様。

参考:
虹と雪、そして桜:運動エネルギーと運動量の違い
高校生向け受験応援メディア「受験のミカタ」:遠心力公式と求め方が誰でもすぐに簡単にわかる!

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