立ち上がり加速での外側ステップ踏み込みの意味
ライダーが体重を預ける場所はいくつかありますが、コーナリング時に重要なのは外側ステップです。
外側ステップがコーナリング時のセンサーとなり、転倒防止にも繋がる
安全に速くコーナーを曲がるためには、前コーナーから力強く立ち上がり加速をして、強くブレーキングを行える速度まで持ってくることが大事です。バイクはブレーキを利用することで安全に速く曲がれるからで、ブレーキをしないダラダラした曲がり方のほうがグリップ力を引き出せず危険です。
バイクはどんな時も外側ステップで踏ん張ることが重要ですが、特にバンク状態からの立ち上がり加速では意識して踏み込みます。ラジアルタイヤを履いているなら、アクセルグリップを回すことでリアタイヤがグニ〜っと横に潰れ、さらに少し外側方向へ流れてる感じがあれば最高の状態です!
リアタイヤにそんなに無理させて後輪がスリップしないかと不安に思う人もいると思います。そうならないためにはまず、タイヤが古くて硬化したりヒビ割れてないこと、アクセルは滑らかに開けること、ハンドルをこじってないこと、最後に外側ステップで踏ん張ってることの4つを守れば大丈夫です。
最初の3つは当たり前のことなので大丈夫でしょう。重要なのは4つ目の外側ステップです。なぜこれがスリップ防止に繋がるのか。
立ち上がり加速時の外側ステップの効果
1つ目の効果としては、外側ステップの足を伝って路面やタイヤの情報が伝わり、ライダーが開け方を調整できることです。ステップを意識しないでシートに接している尻から情報を得ようとすると、尻のセンサーは鈍い上に外乱で尻が浮いたりするともうわからなくなります。
2つ目の効果としては、路面の凹凸やタイヤの滑りなどがあっても足首、膝、股関節などが動いて急激な動きをかなり吸収できるため、いざという時にもタイヤのグリップ力の回復を待つ時間を稼げることです。シートに全体重を預けるような乗り方だと、尻が浮いてしまったら暴れるバイクを押さえる術はないです。
そして一番大事な3つ目の効果としては、いざタイヤがグリップ力を失って滑った時、外側ステップを踏み込んでいればバイクを起こす方向にライダーの荷重(加速G+遠心力+体重)が掛かることになり、バイクが起き上がりやすくなります。シートや内側ステップではこの効果を望めません。
現代のタイヤはツーリング用でさえかなりのグリップ力があるので、これらを守ればかなり立ち上がりで開けていけます。外側ステップの足が後輪のセンサー+転倒阻止の役割となり、安全に探っていくことができるのです。
自分の体が浮いてしまうほど強く踏み込む必要はなく、普段は自分の体重を処理する分だけ踏み込んでテンションをかけます。そしてコーナリングでライダーに減速Gや遠心力が発生してきた時に、その分だけ強く踏んで耐える形になります。特に足首のおかげで柔軟に対応できるのがポイントです。