街乗りでもどんな時でもできる繊細な操作の練習法
初心者から上級者まで、必ず身につけてほしいのが繊細な操作力です。バイクの操作は全て、スロットルやブレーキは特にですが細かく精密な操作が必要となります。
日頃から意識して練習することで、滑らかかつ大胆な操作が可能になり安全にバイクの性能を引き出せるようになるのです。
繊細な操作の重要性
まずこれを説明しないと練習に身が入らないと思うので先に説明します。
バイクを操作する上で、滑らかさ(1→5→8→10 でなく 1→2→3…→10)はとても重要です。急激な操作は余計な挙動を生じさせてしまい、特に限界域で走ろうとしている時にはこれが足かせとなります。
フロントブレーキを離していく時にパッと離せばフロントフォークが伸びてしまい旋回力が落ちるし、立ち上がりの開け方がラフなら滑ったりアンダーが出たりして、本来ならもっと早めに大きく開けていけるところをロスします。
滑らかに操作してたら遅くてタイムロスになる? 素早い操作が必要な時は滑らかかつ早く操作すればいいので、急な操作になるのは本当の極小半径Uターンや原付きのアクセルとか、かなり限られます。
これは車と一緒にゆっくり走っているときでさえ練習できますので、普段から意識して行いましょう!
滑らかなアクセル・ブレーキの練習
簡単で、とにかく滑らかな操作を心がけて下さい。車体のピッチングが少しでも起こらぬよう、後部座席に大切な人を乗せているイメージで行って下さい。さすがに信号待ちからの加速はゆっくりしなくていいですが。
これは車の流れがある状態では意外に簡単ではないです。例えば車が55キロで流れているとしたら、信号待ちからスタートして、58キロくらいまで加速してそこからスロットルを滑らかに戻してわずかなエンジンブレーキをさせていき、前走車との車間距離がちょうどよくなるところで55キロ巡航にぴったりなるようにします。
エンジンブレーキさせるのが遅ければブレーキを使わなくてはならなくなるし、早ければ再加速が必要になります。また4輪って2輪と違い、速度を一定で走ってくれません。55〜65キロで変化させてきたり、無駄にブレーキして減速しすぎたり。
交通の流れをよく見てそういった細かな変化を先に感じ取り、微細な操作で滑らかに対応する。これができると限界域でわずかにアクセルを開けたりなどの、細かい操作がやりやすくなります
アクセル1つとっても、加速も減速もしない巡航状態にするにはどのくらいの開度なのか、スロットルの遊びや回転数によるトルクの出方など、本当に滑らかに動かそうとすると広く意識しないとできません。
2ストや大排気量の単気筒や2気筒などはアクセルワークが難しいのでまた練習になります。4気筒は滑らかなのでやりやすいですね。
本当にこれで上達するのか思う人もいるでしょうが、大切なことなので意識してやってみてほしいです。
穏やかで滑らかなコーナリング
次は横方向、コーナリングです。交差点を除けば街乗りの穏やかなコーナリングを意識している人はほぼいないでしょう。が、これも練習になるのです!
前走車がいる滑らかなコーナリングがあるとしたら、練習方法は2つあります。
1つ目は胸板をゆ〜〜〜っくり回すことでハンドルを切らせていき、Rに合わせた滑らかかつ優雅なコーナリングをする。車速とか他の要素は一定で変化を付けずに、胸板の動きだけでやってみて下さい。
2つ目はアクセルワークだけでコーナリングする。コーナー入り口に差し掛かるとライダーは自然に身体をわずかに動かしてバイクを寝かし込みます。それはいいのですが、その後はアクセルワークだけで曲がり方をコントロールします。
といっても前走車がいますから、巡航状態からほんのわずかにスロットルを回してオンザレール感覚で曲がったり、切り返しがあったらほんの一瞬だけアクセルを全閉してすぐにアクセルを開け直したりです。ほんのわずかなアクセル操作でもバイクは反応して曲がり方を変えるのがよくわかるでしょう。
他にも、ステップを使って少し尻を浮かしてからその場に落として、バイクがどう挙動変化するのかを感じたり、街乗りでも様々な練習ができるのです。これら1つ1つを大切にして経験を溜めることでその車体を理解し、コーナリングの時の感覚を研ぎ澄ますことができます。
街乗りの他、いつも楽しく走っている道でも遅い前走車がいたりする時、普通ならイライラしながらついていくだけですが、これらの練習法を取り入れれば少しはマシになります!
それと、これらの運転はいわば要人を乗せたセンチュリーの運転法みたいなものですから(?)、街乗りでの「乗れてる感」を高め、まったり運転を楽しむことにも繋がります。二重の意味でオススメです。まあ身体が疼いたらアクセルを捻って構いませんが。