常識すぎて誰も語らないバイク話

ベテランライダーがバイク乗りの考え方、実情、ライテクなどバイクの世界を語ります。
毎日更新中!所有歴はカブ、RS50、スパーダ、イナズマ400、GSX1400、ZX-10R、DR-Z400SM。

試乗レポート

色々なバイクを試乗しており、その中から有用そうなものを書いていきます。

CBR600RR (PC37/2005年式) インプレ

自分で所有しているバイクだが、サーキット専用車両ということもありあまり書くことがないので、あえて試乗インプレのカテゴリに分類しておくことにする。トミンモーターランドでしか走ったことがないので注意。

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書いている人のスキルについては管理人について/現在のスキルなどの記事をどうぞ。

作成:2020年10月23日

ライダースペック

身長: 175cm
体重: 55kg
座高: 普通の日本人より高く胴長短足

↑練習中。まだ良くない部分がたくさんあるので、そこを良くしてもっとタイムを縮めたい。

マシンの仕様

  • 逆輸入仕様
  • 走行距離: 30000km
  • 社外カウル
  • 前後スーパーコルサ V3 SC1
  • 鬼ハイスロ
  • ジクー フロントブレーキパッド
  • ストライカー バックステップ
  • リアサス 国内仕様黄色バネ

サスやマフラーなどはストック。

あえてPC37を選んだ理由

ホンダの本気のSS、古いので安い、トミンでよく見かけるの3点である。

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ホンダのCBR1000RRは公道で楽しめるよう配慮されたマシンだが、CBR600RRはサーキットでの戦闘力を第一に考えられている。PC37の前期型である2003年式は正立フォークを装備するなど、いかにもなホンダらしさがあった。しかし市場の盛り上がりからそんなことは言ってられなくなったのか、PC37の後期型である2005年式では倒立フォーク装備を始めとした徹底的な戦闘力アップが図られた。

この型はホンダ車の中でもトップクラスにレーシーな造りで、スタイリングも実にカッコいい。一度は乗ってみたいという憧れがあった。

また古いために車体価格も安く、これはレーサーだったので非常に安かったが、30万円台〜50万円くらいで買うことができる。個人的にコスパは最強だと思う。

その上、トミンモーターランドではめちゃくちゃ速いPC37がたくさんいる。なぜPC37なのかは不明だが、ミニサーキットなので新しいバイクとの性能差が出にくい部分はあるだろう。

2007年式からのPC40のほうが乗りやすくなっているらしいが、この前下がりでケツが高いカリカリのPC37は見るからにレーシーでやる気を出させてくれる。

とにかくレーシー、カリカリな挙動が最高

まさにホンダらしい、レーシーさを追求したマシン。

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目線を動かすだけで曲がると言えるほど、軽やかに曲がり始める。多くのマシンは、フロントブレーキを掛けて沈ませ、それを抜いていくことで曲がる。一度タメを作ってからじゃないと曲がらないのが普通だ。そうでないとフロントが高く緩やかにしか曲がらないものである。

しかしPC37はわずかな体重移動にも反応して、抵抗なくスルッとバイクが寝て曲がり始める。しかもその曲がり具合は、ライダーの体重移動量に比例して強まる。何もしなくても曲がるが、より上体を内側へ入れるほど寝て強い求心力が発生する。

終始操作に対する反応が素直だから、ライダーは安心して積極的にコントロールすることができる。最大バンク角は相当に深く、しかも深いバンク角でも軽やかな挙動で安定していて恐怖感をほとんど感じない。

言葉で書くと当たり前のようだが、こういったバイクはなかなかない。どうしても寝かし始めとフルバンク付近では曲がり方は違うし、挙動の重さなども変わってくるものだ。挙動にリニアさがないから、フルバンクまでの挙動と曲がり方を読みにくく、それが恐怖感に繋がる。

やはりホンダというメーカーはとんでもない技術力を持っている。これが2005年式だと言うのだから本当に呆れる。

ただ乗りやすいというだけでは決してない。このマシンの挙動はカリカリのカリッカリと言っていい。レーシーを極めている。

思った通りに曲がるのだが、しかし体重移動した分だけ素直に曲がる。そしてライダーには強い前傾姿勢を強いてくる。ちゃんと前傾できなければ中途半端な旋回で止まってしまうのだ。それほど強く前傾しなくても操作を合わせれば力強く曲がるGSX-R1000などとは設計が違う。

基本特性

重心はわずかに高めの程よい具合、前方気味でやや腰高感はあるが、素直な挙動。250や400クラスであるような徹底的な低重心と低いシート高といった感じは全くないし、GSX-R1000で体験した腰高感と重量感、どっしり感もない。軽くてシャープだが扱いやすい高さにまとまっている。

シートはやや高めで足つきも良くはないが、リッターSSに比べ車体がかなり軽いので恐怖感がない。ハンドル位置も露骨な低さや近さを感じず、実にちょうどいい位置にあり街乗りも普通にできそうなほど。自分はシート後ろ気味に座るので、攻める時もハンドルが近いと感じることはない。C型10Rのほうがハンドルは近かった。

純正マフラーでエンジンのくたびれもあるせいか、高回転域の伸びは600SSとしてはあまりない。しかし低回転域から高回転までスムーズ、トルクの谷もなく非常に扱いやすく。ホンダのエンジンなので音が最高にレーシーで、純正マフラーでもエンジン音が良いので十分に楽しめる。もちろん社外マフラーにすれば鬼に金棒だが…。

このようにレーシーかつ素直なので動きを予測しやすく、恐れずにコーナーに入っていける。その上、曲がり方までこの上なくスムーズで深くまでバンクし、開け始めもドンツキ感なくスムーズに立ち上がれるので、コーナリングに集中できる。車体の癖に悩まされず、自分を高めるために挑戦を続けるには最高のSSと言える。

しなやかなリアの接地感はユニットプロリンクのおかげ?

自分が乗りこなせてないからだが、タイムのわりに自分は相当PC37で深いバンクをしてしまう。しかしその時も、リアタイヤは確実に路面の上を綺麗に転がり続けてくれる。このフルバンク時の安心感がPC37の最大の武器だと思う。

では普通のSSだとどう感じるか。ZX-10 C型やGSX-R1000L1だとフルバンク時にリアタイヤはスイングアームでフレームに強い剛性で繋がっていて、リアタイヤの動き方がフレームにダイレクトに伝わってしまうし、逆にフレームの動きがリアタイヤに伝わり動きを束縛する。

アクセルを開ければリアタイヤが起きようとして、それがスイングアームに伝わりフレームが捻じり起こされ車体が起こされる、そんなダイレクト感がある。

実に当たり前のことを言っているのだが、PC37にはその感覚が薄い。寝かし込みからフルバンクまで、リアタイヤが独立して路面を転がっていて、フレームとほとんど干渉せずに適度な接地圧を保ち続けている感覚がある。リアタイヤが安定しているから寝かし込み方の自由度が高く挙動が乱れない。自在に車体を寝かし込める感覚がある。

立ち上がり加速でも、その加速にフレームが押されてアンダーが出る感覚が薄い。実際はもちろん開ければアンダーステアは出てくるのだが、リアタイヤはやはりフレームとは独立しているような感覚がある。

もしかしたらこれは勘違いかもしれない。あくまで自分はそう感じる気がするというだけ。

リアタイヤの存在感は薄い。慣れれば気にならないが、アクセルを開ける時以外はあまり接地感を感じないだろう。またブレーキングではリアブレーキを使うとすぐにロックして暴れるため、使うならかなり繊細な操作が必要になる。

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走りに集中できるのが最大の長所

足回りの話ばかりになってしまったが、このマシンの乗りやすさはそこから来ているので仕方ない。レーシーなのに最高クラスの乗りやすさ。

サスの硬さやストロークの仕方、減衰などがライダーの感覚通りで、重心はやや低めのため寝かし込みが軽快で滑らかに寝ていく。フルバンク中でも軽快かつ安定したままでアクセルも開けやすい。

着座位置はやや後ろめでフロントを軽くしたほうが軽快に曲がる。そこから上体を伏せ、内側に入れていくことで旋回力が強まる。腰をそれほどずらさなくても曲がるが、やはり挙動が素直なのでどんどん腰もずらしたくなってしまう。

ブレーキングからの寝かし込みからフルバンク、立ち上がり加速まで、バランス良く均一に曲がるマシンである。例えばYZF-R6は鬼突っ込みからの寝かし込みで曲がるし、逆にカワサキ系はとりあえず深く寝かせてからコーナリングが始まる感がある(GPZ系やメガスポーツなど)。GSX-R1000は重量感と腰高感がありながらも前後のバランス良くニュートラルステアで曲がる。対してCBR600RRはシャープかつバンクが軽快で寝かして曲がる感が強い。

マシンによって走りのリズムは違うものだが、個人的にはハンドルの切れ込みが先行するとか強いブレーキでフォークを沈ませないと曲がらないとか、そういった癖があるマシンはやはり神経を使う(タイヤとのマッチングもあるが)。CBR600RRはとりあえず寝かせればノーブレーキでも曲がるほどなので、実に気楽で集中できるのが何より嬉しい。

自分はサスを柔らかくしたい

この型のリアサスには3種類あり、国内仕様が黄色バネで最もスプリングレートが低く、次に逆輸入車・レースベースが黒バネで真ん中、そしてオプションで最も硬い赤バネがある。

自分が走りを教わっている人は黒か赤バネを使っていたそうだが、自分は黄色バネの上にプリロードを1段抜いた位置がちょうどよく感じる。またフロントもプリロードを3回転くらい抜いたほうが走りやすい。

スプリングレートは走る場所や体重で変わってくるが、体重が軽い上にCBRがよく曲がるからとブレーキを強くかけないのが一因だと思う。YZF-R6と違って、ブレーキが弱くても普通に曲がるのがCBRの凄いところ。

人に勧められるかというと、古いのでPC40の方が良い

PC37は最高にエキサイティングなマシンだが、年式が古すぎることもありネジが腐ってたりパーツがなかったりしてるので、もしCBR600RRに興味があるならPC40、それも年式が新しいほど良いと思う。街乗り+ちょっと山道を走るくらいならPC37でも大丈夫だが、本格的に走るなら古いマシンは手がかかる。

ちなみに自分は現行のCBR600RRが気になるが、165万円もするため買える気がしない。GSX-R1000Rが買えてしまうほどの価格だ。だが個人的には使い切る楽しさで600ccのほうが好きなので、600にする気がする。タイヤの持ちも600のほうが遥かに良い。

話が飛びすぎだが、PC37/40は正直街乗りは面白そうにないが、スポーツ走行に興味があるならそれがサーキットであれ山道であれ、ぜひともオススメしたい車種。素直な挙動で走りに集中できるのは重要なこと。また600なので1000のように加速が大変ということがない。タイムだけでいえば1000の方が速いこともあるかもしれないが、CBR600RRを選んで後悔することはないはず。

他社の600SSと比較すると、まずライバルとなるのがYZF-R6だろう。乗ったことはないが、リアが高く突っ込み重視で曲がるマシンである。聞く話によると、強烈なブレーキからフルバンクさせた時の旋回力が凄まじく、逆にアクセルではそれほど曲がらない。CBR600RRとは違った方向で、600SSの中で最もレーシーだ。一般的に乗りづらいと考えられるが、逆に乗りこなしている人だと乗りやすく感じるらしい。

GSX-R600は国内ではほぼ見かけないマシンで、私が知る限りでは尖りが少なく街乗りまで幅広く乗れる。ZX-6R(636)は年式によるが、GSX-R600と同様に街乗りや山道も気持ちよく走ることを重視している。600cc版のZX-6Rはレーシーだと思われるが情報が少ない。

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