常識すぎて誰も語らないバイク話

ベテランライダーがバイク乗りの考え方、実情、ライテクなどバイクの世界を語ります。
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試乗レポート

色々なバイクを試乗しており、その中から有用そうなものを書いていきます。

試乗レポート: YAMAHA FZ1 (08 国内仕様)

並列4気筒 1000cc のスーパーネイキッド。低中回転域こそ穏やかなものの、回した時の豹変ぶりはなかなかのもの。アップライトなポジションと軽快さで、気楽に走れる。

作成:2008年5月1日

ライダースペック

身長: 175cm
体重: 55kg
座高: 普通の日本人より高く胴長短足

アップライトなポジション、軽快な車体

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このバイクで走り始めて最初に驚いたのは、非常にラクでしっくりくるアップライトなポジションと、リッターバイクとは思えない軽快さ。重い MT-01 の試乗の後だったので、余計にそれを感じてしまった。イナズマ400よりもはるかに軽く感じられる。

少なくとも試乗中にはどこも体にムリがくる様子はなく、視線も高くて見晴らしが良く、街乗りが本当にラクそうだった。またハンドリング、倒しこみも非常に軽快で、街中をスイスイ駆け抜けることも容易。

ただ、「走行性能」という面では優れているのだろうが、重量感が好きな自分にとっては軽すぎて満足できない…。技術の進歩と共に、大切なフィーリングが失われているような…?

マルチらしく綺麗に回るエンジン

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エンジンは低中回転域は非常に穏やかでスムーズ、回すと頭角を現す。

YZF-R1'04 譲りのエンジンらしいが、最高出力・最大トルク共に国内のリッターネイキッドレベルまで落とされている。その代わり高回転より実用域を重視して、扱いやすくしているとのこと。

普段、イナズマ400のトルクフルな実用域を楽しんでる私にとって、FZ1 の実用域はまさに綺麗に突っかかりなく回るが、スムーズに回転数が上がりすぎてしまう感じがした。そもそもイナズマの低中速重視の特性を基準にしている時点でおかしいが、リッターバイクと言えども実用域は穏やかで面白みにかなり欠ける印象だ。

街中をゆっくり流していても、軽やかスムーズすぎてあまり面白くない。回したくなってしまう。

その分、回すと表情は豹変する。振動が増えエンジン音が急激に上がり、本領発揮と盛り上がる。とはいえ「心臓がぶっ飛ぶ」ような感はない。国内仕様向けに、高回転のパワーは相当削がれているからだろう。どうせこれ以上あってもサーキットでもなければ使い切れないが、実用域がアレなら高回転には夢も欲しいと思う。

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静かに乗ればまるで教習車?

そう思うほど、実用域は穏やかで良く言えば扱いやすく、また軽快な車体とあわさって「教習車でもいいんじゃないの?」と思うほど乗りやすい。

ただ、街中をゆったり流すことが好きな自分にとって、高回転型のエンジン特性では全く満足できそうにない。そんなことを再認識させられた試乗だった。重くて走行性能の面から見れば劣っている国内ビッグネイキッドは、本当によくできていると思う。

中途半端…なのか?

実用域で乗るなら全てがスムーズでなめらかだが、そこに面白みはない。軽快さからラクということは確かだが、もうそこからはバイクに何を求めるかによる。回せば本当の表情を見せてくれるが、どうせなら「使いきれないほどの圧倒的なパワー」、つまりフルパワーの方が夢があっていい。私は欲しいとは全く思わなかった。

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