ドノーマル ジクサー150でミニサーキットを走ってみる
弟が新車のジクサー150を買ったのでトミンモーターランドで走ってみました。純正タイヤでもサーキットは走れるのか…?と思いきや、すごい楽しく走れました!
書いている人のスキルについては管理人について/現在のスキルなどの記事をどうぞ。
ライダースペック
体重: 55kg
座高: 普通の日本人より高く胴長短足
ジクサー150 スペック
最高出力:13PS/8000rpm
最大トルク:1.3kgf・m/5750rpm
前タイヤ:GT601(バイアス) 100/80-17 / 空気圧 1.8(冷感) / 製造から約2年経過(1023)
後タイヤ:K510(ラジアル) 140/60R17 / 空気圧 2.0(冷感) / 製造から約2年経過(1123)
※地面に擦るのでステップバーだけ社外品に変更
さすがスズキ、街乗り仕様 純正タイヤでも意外にちゃんと走れる
↓強風の真冬 外気温8℃で走ってみた動画です。もちろん、上手い人が乗ればタイムはもっと出ますが、ドノーマルでもマシンの動きがスムーズなのがわかると思います。スズキは本当にスポーティーなバイク作りが上手なメーカーです。
走り始めてまず感じたのはアンダーステアで曲がらないこと
ストックだと当然街乗りやツーリング向けの車体バランスなので、前上がり後ろ下がりの直進安定性重視の状態です。これがジクサー150の穏やか、かつ軽量なことからワンアクションで軽快な動きができる特性を生み出しています。
しかしサーキットではさほど直進安定性は必要なく、それよりコーナリング速度を高めるためにリアを高くして、バンク角に対しての曲がり具合を大きくする必要があります。
純正のリアサスのプリロードは7段調整の中で4段目で真ん中なのですが、このバイクはなぜか一番柔らかくなっていました。そこで調整していき5段目(最強から3段目)にしたところバランスが良くなりました。純正からだと1段違うだけですが、これでも大きな変化があります。
車体のフィーリングはスポーティーのようなフワフワのような…
まず乗って動かすと、154ccで軽量でアップハンなこともあり車体は軽快感にあふれています。リアサスの動きはわかりにくいものの、フロントフォークはやや動きが硬めに感じます。
しかし強めにブレーキをかけるとフロントタイヤがバイアスなため潰れにくく接地感が消え、フロントフォークは大きく縮んでリアも不安定になります。安価なマシンのため前後サスはグレードの高いものではなく、減衰も効いていません。
そのため高性能ラジアルタイヤを履いたリッターバイクのような、強いブレーキで大きくタイヤを潰して曲がる、という乗り方とは真逆の乗り方をしなければなりません。
つまりリッターバイクならターンインでブレーキを10掛ける時に、このマシンでは4掛けるくらいのイメージでブレーキを頑張らないことが大事です。コーナーへのアプローチを手前に持ってくるイメージで、早めに弱いブレーキを掛け曲がりはじめて、早くフルバンクに持ち込んで高い車速で大きなRで曲がる。
いかに早くフルバンクに持っていくかが重要です。中間バンク角でブレーキを頑張るような特性ではありません。スパッと寝かせて高い車速でクリアし、早めにアクセルを開ける。フロントブレーキは4→3→2→1とじんわり掛け続けて、フルバンクで0になります。

マシンに余計な動きをさせてはいけない
高性能ラジアルタイヤを履いた大型バイクに乗ってる人が癖になりやすい、ブレーキをギュッと掛けてグワッと曲げて一気にアクセルを開ける、みたいな乗り方には全力で拒否反応を示します。
硬いバイアスタイヤで寝かながら強くブレーキを掛ければ、路面を掴めずすっぽ抜けます。ブレーキの掛け方や体の動きがラフならば、前後サスの減衰が効いていないのでサスが暴れます。
そうなると、できることは早いタイミングでフルバンクに持ち込み、大きなRで車速を落とさず曲がるのみです。この一連の動きで車体に余計な動き・荷重を掛けないことが重要です。
早い段階でフルバンクするには
ブレーキを頑張らない。腰を内側に大きくオフセットして弱いブレーキを掛け、内側のステップから前に踏み出すように腰を前進させると、前後の荷重バランスが良くなるのか深いバンク角でも安定します。マシンによってどういう体重移動が合うかは違いますが、ジクサーの場合はフロントが弱いのでシートの後端に座ってブレーキして、バンクさせる時にシート上を滑るように前進すると良いようです。
どう考えても街乗り用の純正タイヤですが、動画で見る限りバンク角40度近くまでは全く滑る気配もなく安定して走れます。トミンモーターランドは路面が結構凸凹してるのですが、減衰が全く効いていないのが功を奏しているのか特に気になりませんでした。

総評:街乗り・ツーリングからサーキットまで幅広く楽しめる優秀なマシン
実はこのジクサー150で一晩で下道を400km走ったこともあります(尻だけは痛くなります!)。軽量なので街乗りやツーリングにはめちゃくちゃ向いてますし、燃費も50km/Lくらい走ります!軽いのでぱっと乗ろうと思えますし、純正タイヤでもミニサーキットを楽しく走れます。ブレーキも十分効きます。
この手の小排気量マシンは主にインド・東南アジアの激戦区で鍛え上げられているので、完成度が非常に高いしコスパも良いです。はっきり言って販売台数が上がらない、お金持ちしか買えないリッターバイクよりよほど完成されていると感じます。
昔の小排気量車に比べて質感も大幅に上がり、十分な所有感もあります。現代の四輪の軽自動車(NBOXなど)の完成度がそこらの普通車より上なことと似ています。日本人は大きなバイクが好きな人が多いですが、小排気量マシンはとても楽しめるのでオススメです。
「パワーがないじゃん」「遅いからタイム出ないじゃん」という考えもあると思いますが、小排気量マシンでコーナリング速度を上げることを目的に走り込んでいくと、「パワーってなくても楽しいんだな」と思えるようになります。安全にも繋がるし、小排気量はかなりオススメです。
もっと上体をインに入れたほうがカッコイイし曲がるのではないか
頭がタンクの真上にある乗り方は確かにかっこよくないし、昔の乗り方に見えます。それより上体を入れたほうがより曲がるように見えるのもわかります。
これはかなり複雑な話になると思いますが、まずこのマシンで考えてみます。
まずフロントタイヤがバイアスなので、強いブレーキが掛けられません。つまり大きなフロント荷重を確保するのが不可能です。その状態で体をインに入れれば、フロントの食いつきが甘いので荷重に負けてアンダーが出るかすっぽ抜けます。フルバンクして曲がって遠心力が発生するまで、フロントタイヤを路面に押し付けるのは上体+頭の重力による垂直荷重なのです。
ですから、フルバンクして遠心力が強くなるにつれて上体を内側下に入れることができるようになります。特に立ち上がり加速の時は上体を大きく内側に入れてマシンを起こすと安定します。
なのでフルバンクになるまでは頭はセンターが安定すると私は考えています。
一方、ラジアルタイヤを履いた高性能な現代のマシンはもっと早いタイミングで上体をインに入れています。車体の設計もありますが、一番なのはタイヤの作りだと思います。現代のフロントタイヤはとにかく大きな荷重を掛けて潰し、バンクしてからは上体をインに入れないと荷重が不足して曲がらないためだと考えています。
個人的には、インに入れてタイムが縮むのはレースをやるくらいの相当なレベルになってからだと思っていて、一般的にはリーンウィズのほうがたくさんの恩恵を受けられると思います。
