常識すぎて誰も語らないバイク話

ベテランライダーがバイク乗りの考え方、実情、ライテクなどバイクの世界を語ります。
毎日更新中!所有歴はカブ、RS50、スパーダ、イナズマ400、GSX1400、ZX-10R、DR-Z400SM。

KAWASAKI '05 ZX-10R

ZX-9Rから大幅に戦闘力を高め満を持して投じたKAWASAKI入魂のSS。しかし高いカタログスペックとは裏腹に全体の完成度は高くなかった。

カスタマイズの感想

ストック状態では不満があった部分をカスタマイズしたので、それの感想です。

作成:2013年8月20日
カテゴリ:KAWASAKI ZX-10R
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ZCOO ブレーキパッド (無印)

ジムカーナA級選手も愛用する、奇跡のブレーキパッドです。朝野選手に教えていただきました。Type-Cではない無印のほうです。

情報量・効き・リリース性など全てが最高で、握っていくと文字通り厚いバターをギュニューっと潰してるような、素晴らしい握り心地がします。付けて初めて走った時は感動しました。

しかもどうやらライフも結構長く、私のはもう付けて数年経ち、1万キロ以上使ってるはずですが未だになくなりません。装着当初の芸術的感触はなくなってしまい、やや固い握り心地になりましたが効きは相変わらず十分でリニアです。

とくにこのバイクはブレーキングが重要なバイクです。ブレーキに不満があれば、まずは今のパッドを捨ててこれを付けてみて下さい。価格以上の価値が必ずあります!

ミシュラン パワーワン

ミシュランの数世代前のハイグリップタイヤ。ライコランドで前後セットで確か35000円くらいだったので、劣化したロッソコルサから履き替えてみた。

グリップ力は申し分なく、公道でグリップ力が不安に感じることはない。コーナリング中でも不安なくフロントブレーキをがっつりかけられるし、実に気楽なタイヤだった。温度依存性はそれほどないと感じた。

曲がり方は寝かすだけで曲がるバイアスタイヤみたいな特性で、これはC型10Rとの相性は良かった。10Rは軽快に寝るのだが、車体が固すぎて寝かすだけではそれほど曲がらない。そこにこのタイヤを履くと、素直に軽快に寝かせた分だけ曲がるのである。

逆にロッソコルサであった、パワーをかけるとリアがオーバーに流れるような感覚はなく、静かにスーーっと踏ん張って加速してくれる。最初はロッソコルサに慣れていたのでつまらないと感じたが、乗りやすさを考えれば断然こちらである。

ただ、タイヤの特性がミシュランらしく軽快に寝るというものなので、10Rの軽快さと合わさりバンクしすぎるところがあった。アクセルを奥まで我慢して、体重移動も相当我慢しないと、バイクが曲がろうとしすぎてしまい若干ライン取りしづらい部分がある。

これは推測だが、軽快だが曲がらないC型10Rには、ブリジストンのS20とかS21がベストだと思う。あれはバンクの仕方に安定感があり、タイヤが良く潰れて、そして寝かせた分だけ素直な旋回性が出る。こういった安定志向のタイヤのほうが乗りやすくなると思う。

ピレリ ロッソコルサ(HR)

購入当初履いていたα-13に不満があり、ジムカーナを始めたことからもう少し高いグレードのタイヤをと履き替えたタイヤ。理由はネット上で評判が良かったから。ここからはジムカーナの練習での話。

履き替えた当初は掴みどころのないタイヤだと思った。α-13はグリップ力がスポーツタイヤとしてはイマイチで、立ち上がり加速で全開にするとリアが明らかに逃げるような挙動があった。

それがロッソコルサだと何の感触もなく普通に加速している感じ。だがバンクしただけではそれほど曲がっていない。グリップ力は高いのでバンク角は深いし転ぶ気はしないのだが…。立ち上がり加速でリアが流れる感覚を掴めてからは、パワーをかけて曲がるタイヤだと気づいた。

リアタイヤのグリップ力はかなり高いが「危ないですよ」というサインはほとんど出してこない。で、立ち上がりでアクセルをグググッと開けるとギューーっと横にたわみ潰れながら加速する。このたわませることがこのタイヤのコツだった。公道での使い勝手もよく、雨や低温時でも問題なくグリップする。

だがC型10Rとの相性は正直良くないと思う。倒れ込み方は普通だが、寝かせるだけではさほど曲がらずパワーをかける必要がある。それもかなりパワーをかけて初めて真価を発揮するタイヤなので、慣れてないとスポーツ走行が難しくなるだけである。フロントタイヤも同様で、ブレーキをガッツリかけて丁寧なリリースを要求される。

だが正しい操作をした時のグリップ力は相当なものがあり、公道でグリップ力不足を感じることはないだろう。トミンサーキットでも私のペースではタイヤのグリップ力にはまだまだ余裕があるように感じられた。ライフも実はかなり長いので、履く時は高いかもしれないがかなりお買い得なタイヤでオススメだ。

オーリンズ製リアサス

純正のリアサスは動きが悪く、路面からの情報がほとんど入ってきません。また路面追従性も悪く、旋回中にはジーっと路面を捉えてるんだかいないんだかわからない状態で存在感が非常に薄く、旋回性が引き出しにくいです。加速時も情報量が少ないため開けにくい。

そこで7万5000円の中古のオーリンズ製に変えたところ結構変化が。明らかに旋回中に路面を滑らかに捉え続けてくるようになり、リアタイヤのグリップ感なども掴みやすくなりました。加えてリアに荷重をかけるとこれまでより後輪を外側に振り出しやすくなった気もします。

決して安い投資ではないですが、C型でリア周りの動きに不満があるならリアサス交換は大きな効果が見込めると思います。体感としても、10Rに乗り慣れていない弟でもちょっと走っただけで走りやすくなったと気づくほどなので、かなり違うのだと思っています。

スプロケ 7丁ショート化(現状)

↓の15丁ショート化はジムカーナをやっていた頃のもので、今は10Rではジムカーナをやらなくなったので「前側14丁、後ろ側37丁」の7丁ショート化で、ノーマル比115.2%となっています。

ストックでの低中速トルクは細かったのですが、この構成だと丁度いいくらいです。↓の15丁140%に比べアクセルワークは全く楽になります。ノーマルよりは若干シビアですが、私は気にならない程度です。

街乗りではちょっとうるさいかな、と感じるくらい。高速ではちょっと回転が高いですが、まあ我慢できる程度です。140%の時は80kmくらいまでしか出す気がしなかった。

スプロケ 15丁ショート化(ジムカーナをやってた頃)

C型10Rのスプロケは「前側17丁、後ろ側39丁」なのですが、これを「前側14丁、後ろ側45丁」の15丁ショート化することで低回転域から凄まじいパワーとなります(ノーマル比140%)。

もともと10Rはエンジンを筆頭に高回転側に設計されているため、ジムカーナで使用するにはあまりに低速域のパワーが足りません。そこでスプロケをショート化することで強引に低回転域から強烈なパワーを出せるようにします。

15丁もショートにすると異次元の加速力、そしてアクセルワークの難しさとエンブレのキツさになります。スポーツ走行には良いものの、回転数が上がってしまうため街乗りや高速ではかなり辛いです。ある程度は慣れと妥協で何とかなりますが、一般的な領域(街中や高速で飛ばすとか)での楽しみを大幅に失い、完全にスポーツ走行専用の車両となります。

街中ではまるで250のバイクのように忙しく6速までシフトチェンジする必要があるのですが、C型は変速機構の出来が悪いのでかなりストレスになります。もちろん6速にしないと回転数があまりに上がり過ぎます。6速でストック状態で言う3速か4速くらいです。

ストック状態のスプロケでは前傾さえしていれば1速全開でもあまりフロントアップしなかったのですが、15丁ショート化後は前傾したってどんどん上がっていきます。慣れると病み付きになる加速力です。

ちなみにジムカーナの頂点級の選手であり、自分の先輩でもあるA級のC型10R乗りの方はなんと17丁ショートとなっていて、かなりアクセルワークやエンブレが厳しいようです。

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