基本ポジション・ライディングフォーム
現代のマシンは上半身を極端にリーンインするフォームを要求します。これは意識しなければ絶対にできない動きです。この記事では
上半身の体重をすべてシートに掛けるイメージ
フォームには色々なものがありますが、基礎の基礎として習得したいのが安定したフォームです。体の動きが安定すればマシンの挙動も安定し、その安定の中で体重移動することでマシンを着実に動かせるからです。
そのためには骨盤から上の体重の大部分をシートに載せ、加減速Gや遠心力もシートに掛けることでリアサスを縮め、リアタイヤを潰すような乗り方が必要となります。自分の体重と変化する前後横Gが、ダイレクトかつリニアにシートからサスやタイヤに伝わり続けることで、手に取るように情報を得られます。
またその分、ハンドルに力が入りにくくなるのもポイントです。
重要なのは骨盤から上の背筋を張り、背中を一本にすることです。完全に伸ばし切ってしまうと動きにくいし力も入りにくいので、わずかに猫背にしつつも背中の骨を伸ばすイメージで、上体を前方に突き出すイメージで背筋を張ります。
すると頭の上からのほとんどの体重がシートにまっすぐ掛かるはずです。それに加えて前後Gと横Gもシートで耐えることで、常に安定してマシンに荷重を掛けられるのです。ステップでは耐えてないので脚は疲れにくいし、ハンドルからも力をかなり抜けるはずです。
膝はタンクに当て、足はステップでホールドするのですが、骨盤より下の、シートでは荷重できない分の体重をその2点で支えます。なので基本的に脚が短い日本人はそれほどステップで支える力は少ないはずです。欧米人に比べ重心が高く、シート荷重が大きくなります。
そして下半身ホールドで重要なことは、外側ステップを軽く踏み込むことで反力で膝が前方上へ持ち上がるのですが、それをタンクに当ててステップとの間でつっかえ棒のようにすることです。かなり強烈なホールドができるので腕から力を抜きやすくなります。
ステップには骨盤より下の体重だけが加わり、タンクとのホールドで少しだけ張っているだけです。それ以上に力を加えると疲れるし体を動かしにくくなります。
ちなみに、この乗り方はシートにどっかり座っているため路面のギャップに弱いです。公道の荒れた道では振られやすいので注意してください。路面が悪ければステップを少し強めに踏んで、腰の位置を安定させます。
加わる荷重(前後横G)は、そのままシートやステップへ荷重される
ここもポイントなのですが、ブレーキすれば減速Gが、加速すれば加速Gが前後方向のGとして掛かります。同様にバンクして曲がれば遠心力の横Gが掛かります。これらに対して、体は動くことなく静止状態で安定したままでいれば、シートやステップにそのまま荷重が掛かります。
シート・ステップ荷重 = 体重 + 発生している前後横G
当たり前のことを書いているようですが、発生するGに惑わされることなく体はそのままで、ストレートにシートやステップで受け止めることが大事なのです。
というのも私が峠の走り方で書いたジャンプする方法では、むしろ体を大きく動かすことで荷重を受け流してフルバンクするので、この走り方とは大きく違うのです。峠では道幅が狭くサーキットほどブレーキングで突っ込めないため、一気に寝かすための方法として紹介しました。
しかしサーキットでははるかに強いブレーキングでターンインするため、その減速Gをマシンに掛けて前後サスを縮めて鋭く曲がる姿勢にしなくてはいけません。そのためのホールドです。