常識すぎて誰も語らないバイク話

ベテランライダーがバイク乗りの考え方、実情、ライテクなどバイクの世界を語ります。
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サーキット上級者への道

サーキットでバリバリ走るために必要な知識・練習をまとめています。バイク初心者からサーキット中級者まで役に立つ記事を目指しています。

ブレーキングでのフォーム

サーキットで一番難しいのがハードブレーキングを耐えてからの寝かし込みです。楽にブレーキに耐えられ、そしてコーナリングに繋がるフォームを覚えれば、より突っ込んだターンインができるようになります。

大前提として、ほとんどのコーナーは浅くバンクしながらブレーキングします。画像でも少しだけマシンが寝ています。

作成:2020年6月17日
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ハンドルで耐えるのは上級者向け

一番大事なことは強烈なブレーキングでも疲れないことです。スーパースポーツはハンドルは低いし、シートとステップは高い。どう考えてもブレーキで耐えにくいポジションで、ライダーを前方へ投げ出す力に対して、両腕でハンドルで踏ん張ってしまうのが普通です。

自分の知る超速い人に「ブレーキはハンドルで耐える」という人もいるので、それも乗り方の1つなのは間違いないです。ただ、ハンドルで耐える方法の欠点はまず腕が疲れやすいことと、セルフステアを殺すので自分でハンドルを切る量を調整しないといけない点です。

利点は恐らく減速Gをより直接的にフロントフォークのストロークに使えることでしょう。しかしあくまで私の意見ですが、操作が難しくなり疲れやすくなるので、相当に上達してより強烈なターンインをしたくなるまではやらなくて良いのではないかと考えています。

一般的なシートで減速Gを耐える方法だと逆に、疲れにくく自然な操作感となります。セルフステアを活用できるので恐怖感も減ります。

骨盤をイン側へずらしてからブレーキング

ブレーキするということは必ずその後にコーナーがあるので、あらかじめ尻を内側へオフセットしておきます。位置はケースバイケースですが、尻の穴がシート左右端の角に当たるくらいが目安です。ずらしすぎるとホールドが難しくなって力が入ったり、曲がる力が大きくなりすぎるので戻します。

アクセルを開けている内に腰をずらしておきましょう。ブレーキをしながら腰をずらすと荷重変動が大きすぎてコントロールが難しくなります。それを寝かし込みのきっかけにできなくもないですが、まずは安定した挙動を作るほうが重要です。

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腰はコーナー内側へ突き出すように移動し、骨盤がややコーナー外側へ向く形となります。すると外側の膝がタンクに密着してホールドしやすいはずです。シートから外側ステップに掛けて、外側の脚が広い範囲でバイクに密着してホールドするようにします。

もし外側ステップに足が届かないようならステップ位置が低いです。純正ステップではわりとなりやすいです。バックステップへ交換しましょう。またタンクに膝が当たりにくい場合は、スポンジを貼って幅広にする手があります。それと膝はサイドカバーやフレームに当たることもあります。

内側の脚も締めて両脚でニーグリップして減速Gに耐えます。ただしブレーキしながら曲がっていくコーナーでは、内側の脚は開いて開放して旋回を邪魔しないようにします。

足首はヒールガードに当ててホールド感を増しますが、ステップでは特に何もしません。ステップで踏ん張って耐えようとすると疲れやすい上に体の動きを阻害するので、ステップには足を乗せてるだけです。

上体はやや起こして全力でシートで耐える!

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太ももから下の耐え方は前述の通りですが、重要なのは骨盤から上です。

内側にオフセットした骨盤から頭はあくまでセンターになるよう、ややリーンアウト気味に上体を起こします。このブレーキングの段階で上体を内側に入れると、減速Gでピッチングしてフォークが沈む時に内側に入った上体が邪魔をしてバイクの動きが強張ってしまいます。減速Gでフォークが縮む方向へ、まっすぐ上から自分の体重を掛けて沈ませるようなイメージでブレーキングします。

またリーンアウト気味にすることで減速Gに耐えるのも楽になります。このブレーキングの段階で頑張って曲げようとするのは間違いで、それは相当な上級者がコンマ数秒を縮めるためにするものです。

基本姿勢のページで書いたとおり、背筋を張って背中をまっすぐ一本で固めることで、減速Gに耐えるのがとても楽になります。上体はひねらず曲げず、骨盤からまっすぐ伸ばすことでシートで大きな減速Gを処理するようにします。

上体を起こすことで腕は伸ばし切るくらいになりますが、力はできるだけ入れないようにします。頭も起こして努めてリラックスするようにします。

上体はリーンアウトに加えてややコーナー外側を向き、内側の肩からタックルするような形です。また内側の脇腹を伸ばして内側の肩がやや高くなります。

上体を落とすだけで曲がるフォームになる

ここから先はブレーキングを緩めつつ寝かしていくわけですが、実は既にシート内側に座っているのであとは上体を入れるだけで曲がることができます。

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ブレーキングの段階では上体はリーンアウト気味ですが、シームレスに繋がるようになっています。

リーンアウトでは曲がらないのではないか?

上体を入れたほうがブレーキしながらでも曲がる、と思われるかもしれませんが、現実問題として無理があります。

上体を内側に入れればその上体を支える必要が生じ、曲がっているなら遠心力でバランスしますが、ブレーキングの段階ではさほど曲げれないので遠心力が小さく、腰回りの筋力を酷使してしまいます。

加えて、その体勢で前方への減速Gに耐えるのは無理があります。

このブレーキングの段階では曲がることを意識する必要は小さく、軽くバンクさせながらこれから寝かせて曲げるための準備をすることが重要です。シートから荷重が伝わることで、前後サスがしっかり沈み曲がる態勢となります。

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