3) 普通二輪一発試験に挑戦開始!
「これって案外難しい!?」
それはまさに、これまでの自分の走りが正かったのかを表すものだった。
都内で原付では楽しめないと考えた私は、普通二輪免許を取ることに決めた。教習所に行く時間も金もなかったために、鮫洲運転免許試験場の一発試験で取ろうと目論んだ。カブとは言え、自分の技術に多少の自信はあり、「3回くらいでとれるんじゃないか?」と何とも甘い考えだった。
ネットで法規走行を勉強し始めると、なんと堅苦しい走り方なのだと驚く。今まではどこでも走っていいと思っていたのが、左折は左側ぎりぎり、右折は交差点の中心のすぐ内側を通過や、30m手前や3秒前にウインカーを出すなど、本当に「なにそれ…」状態だった。
それからは、人・車通りの少ない時間に懸命に法規走行を練習した。実に難しい。これまで考えさえもしない走り方だった。30m手前でウインカーを出して左右に寄っておくというのに、体が全く馴染んでくれない。それ以外の乗車降車や課題走行もかなり怪しいものだったが、ついに試験に臨む。
当然のことながら、一発試験はそこまでは甘くはなかった。学科試験は1回で受かったものの、いざ初めての中型バイク、CB400SF に乗ってみると全くうまく操れない。まずアクセルワークが最悪で、「がばっ、戻す、がばっ、戻す」の連続で、スムーズに走れない。スラロームは2、3秒の時間超過で、一本橋で落ちる。
そんな全く無茶な状態での挑戦を2回続け、ようやく「このままでは一生、CB400SF に乗せられる」と勘付く。そこで、カブで本格的に試験対策の練習を始めることとなる。