4) 普通二輪免許取得
「中途半端なライダーはお呼びじゃないということか…」
綿密な対策を施さなければ、必ず試験でボロが出る。

普通に原付を乗っているだけでは一発試験には全く歯が立たないと痛感し、極低速でのバランス走行やスラロームなどの特殊な動きを、荷物満載で重くなっているカブで練習し始める。課題走行はともかく、法規走行は多少なりともまともに走れるようになった。
カブはクラッチレバーがなかったり、タンクがなかったりと、結構違う点は多かった。だが、シフト・クラッチワークは RS50 で慣れているし、違いを承知した上で練習すればそんなに問題にはならなかった。
そしてまた試験場に向かったが、ここで自分の中で変化が起こっていた。白バイに捕まらないため道路交通法を遵守するために時速40キロ一定でカブで走っていたところ、妙に落ち着くことに気付く。原付カブであるはずなのに、バイクの一定のリズムの鼓動を感じられて、走っていて実に心地いい。今まで感じたことがない心地よさだった。この段階で、徐々に原付厨は卒業しつつあった。
試験3回目で、課題走行は5点の減点はあったもののなんとかクリアして、ついに法規走行の段階までたどりつく。結局は減点超過で失格だったが、自分の中でこれは大きな成果だった。
しかし、その後の試験4〜7回目は進展がなかった。課題走行は問題なくなっていたが、法規走行で毎回減点超過で失格。原因は「意識」の低さ、「中途半端」な意気込みによる、つまらないミスでの減点が多すぎたこと。「このままじゃ減点がなくならない」と気付き、8回目の試験の前にもう一度法規走行を徹底的に勉強し直し、「次で何が何でも絶対に受かってやる!!」と強く心の中で念じながら8回目の試験に挑戦。
試験8回目にしてようやく合格。意識を変えた途端合格とは、今までどれだけ「だらだら」と試験に臨んでいたかを痛感した。7回も落ちて苦労しただけ喜びも大きく、体中から幸せがあふれ出てくる感覚。受かって本当に良かった…。
そして中型バイクを探し始め、運命の出会いをする。