常識すぎて誰も語らないバイク話

ベテランライダーがバイク乗りの考え方、実情、ライテクなどバイクの世界を語ります。
毎日更新中!所有歴はカブ、RS50、スパーダ、イナズマ400、GSX1400、ZX-10R、DR-Z400SM。

SUZUKI イナズマ400 (INAZUMA400)

750クラスの大柄な車体に油冷400ccエンジンを搭載。「遅い! 無駄にデカい!」とか言われるけど、まったり街乗りするにはむしろ丁度いい。他の 400cc にはない大きな所有感。少々重たいけど基本を守って操れば振り回せ、さらにビッグバイクへの基礎練習にもなる、ステキなバイクです。

街乗りのインプレッション

適度な重量感と低中回転域のトルク感に優れる扱いやすいエンジン特性で、ソロでもタンデムでも余裕で街乗りをこなす。油冷フィーリングを楽しみながらまったり流せる。

作成:2008年3月29日 / 更新:2008年4月20日
カテゴリ:SUZUKI Inazuma400

街乗り(普段・追い越し・取り回し・タンデム・油冷フィーリング)

750クラスの余裕のある車格と、実用域での扱いに優れる油冷エンジン。

車の流れに身を任せる場合

実用域である低・中回転域がトルクフルで扱いやすく、程よい重量感で安定する車体と共に快適に街乗りできます。

信号スタートなどで、私のイナズマだと WR'S のバッフル無しフルエキの抜けがいいのか(?)、極低速のトルクが足りない感じを受けます。半クラでもあまり進みませんし、そこからアクセルを開けながらクラッチを繋いでいくにしても、結構多めにアクセルを開けないとエンストしそうになります。400cc 4気筒というのは普通こんなものでしょうか??

街乗りで普段使う回転数は 3000〜4500回転ほどで、私の場合は 4000〜4500回転でシフトアップすると綺麗に繋がります。6速の4000回転で丁度60キロです。交通の流れがゆったりな場合、5速か6速でまったり 4000回転周辺で流すのが心地よい感じです。下からのトルク感があといくらか欲しい感じはしますが、「ゴリゴリ」とした油冷フィーリングと共に「まったり巡航」を楽しめます。

シートに全体重を預けて「どしっ」と深く構えて心を楽にすれば、急かされることなく、無理な追い越しや信号待ちの先頭に割り込むのも多少億劫になるくらい、実に落ち着いた街乗りができると思います。

追い越し・すり抜けなど、ブン回す場合

イナズマのエンジンは出力がフラットで、レッドゾーンまで同じ勢いで加速していきます。そのため、ブン回しても全く怖くないし、そんなに面白いとも思いません。その代わり、高回転まで扱いやすいと言えます。また、ジェントルな低・中回転から一転して、高回転になると心臓部が咆哮を上げるのは魅力です。そのため、鬼すり抜けをする場合は 3、4速くらいで高回転を使うと盛り上がります。

私の経験からだと 400cc最速の CB400SF としか比較できないので、イナズマの加速は鈍いように感じます。8000回転辺りから心臓部からのメカニカルノイズの音色が急変しますが、その割にはCBのように急激に加速が鋭くなるような感じはなく、加速はあくまで一定です。実用域だけを使って走るのには非常に向いていますが、高回転を積極的に使って走ることに官能はありません。また XJR400 などと比較できれば多少は評価も変わるかもしれませんが、ちょっと性能面では CB400SF は相手が悪すぎますね。イナズマは性能ではなく、乗り心地など感性に訴えかけてくるバイクですので…。

降車時の取り回し

イナズマは聞いた話によると、油冷エンジンの構造上、重心が高くなってしまうそうです。確かに実際、イナズマは重たいです。カタログスペック上での車重が20kgも変わらない CB400SF と比べると、250cc と 400cc くらいの差を感じます。とは言え、取り回しに多少不安を覚えることもありますが、足着き性がとても良いこともあって、慣れれば大して問題にならない程度と言えます。

タンデム

タンデマーとのスペースも広く、標準でグラブバーが付いているので快適です。

イナズマはもともと乗っていて重量感があるバイクなので、人を後ろに乗せてもそんなに違和感がありません。そりゃもちろん、普段よりコーナリングでアウトに膨らみやすかったり、極低速がよりシビアになったりしますが、人を乗せる以上それは当然で、運転の大きな問題にはなりません。

試しに私が CB400SF を運転して、後ろに体重60キロの弟を乗せて走ってみたのですが、この時はどうも違和感が大きかったです。400cc として CB400SF は明らかに軽々しく、ここからは推測ですが、イナズマに比べてフレームが柔らかくてねじれる気がします。そこに人を乗せると、フロントは軽くて曲がるためにねじれるのに、後ろが重くてついてこない。軽快さが仇になっている気がしました。

その点、イナズマは人をのせてもバイクのバランスが崩れず、しっかりとした動きをする気がします。今度、もう一度CBでタンデムして確認しようと思います。

油冷フィーリング

イナズマの油冷フィーリングはそれほど絶対的なものではなく、感じるためにはいくつかの条件があります。

まず気持ちが急いでないこと。すり抜けのために常に目を光らせていたり、前走車のスピードを気にしすぎるような運転をしている時は、油冷フィーリングもクソもないと思います。急いでもどうせ到着時間に大差ないので、まったりしてみてください。

次にシートにどっしり体重を預けて深く座って、物理的にバイクの鼓動を感じられるようにすること。ハンドルやステップに力が入っていると、感じにくいと思います。

最後に、ライディングを楽しもうとすること。バイクを単なる移動手段と思うだけでなく、バイクの調子を感じようとしてみたり周りの景色をよく見たりなどなど、ライディングに満足することです。

なんか抽象的なものが多いですが、これで私は「ゴリゴリ」とした感覚を覚えます。6速4500回転 70km/h くらいの時が最も心地よい気がします。大排気量の油冷エンジンなら、もっと大きく感じるのでしょうが。

「諸注意」のページにも書いていますが、私は「鼓動感」に対する沸点が低いです。そのため、他人では私ほど感じない可能性があることをご了承ください。

イナズマ400のページへ戻る

トップページへ戻る

更新履歴
現在の人気記事はコチラ!