カタナで山を走るたびに良いバイクだなと実感
新車で買って10000キロを超え、本当にカタナはすごいなと乗るたびに思う。
新型カタナのワインディングでのサスペンションセッティングのページにオススメのサスセッティングを書きました。
はっきり言う。日本国内で4気筒150馬力を発揮できる場所はサーキットを除いてないし、無駄でしかない。峠を走るにしても70〜100馬力もあれば十分で、それに合わせて軽量化したほうがよほど速い。
しかしカタナは大きくて重い4気筒エンジンを積みながらも、公道で大いに楽しめるマシンである。
とにかくスポーツ性を重視したマシン造りをするのがスズキで、乗ってみればGSX-S1000もカタナも一切の妥協がないのがすぐわかる。きっちり造りすぎているくらいだ。正直、もっと限界性能を下げて乗りやすくしたほうが万人受けする。決して乗りにくいわけではないが、本気で走った時にこそカタナの真の姿が見えてくる。
カタナは前後サスの動きが固く、決してしなやかではない。公道を楽しむストリートファイターとしては高いスプリングレートで剛性と路面追従性は高いものの、普段使いにここまでのスポーティーさは必要ないだろう。もっと前後サスを良く動かしてしなやかにしたほうが乗り心地がいい。
高めのハンドルでアップライトに乗れるが、上体を伸ばした殿様乗りでは腕が突っ張ってしまいスムーズな旋回ができない。中身は完全にスーパースポーツだから背を丸めて重心を下げないと思ったように曲がらない。知っているなら大丈夫なのだが、純正のバーハンドルに違和感を覚える人は多いだろう。
だがひとたび乗り方を覚えれば最高のハンドリングを味わえる。運動性をどこに合わせるかはバイクによるが、カタナは街乗り・峠・サーキットまで非常に高いレベルで合わせ込んである。サーキットではSSに比べスプリングレートが低いので少しサスの動きが大きいものの、ほぼSSと同じ乗り方で走れる。峠では前後サスが若干硬めとは言えナチュラルに相当なペースで走れる。そして極低速域となる交差点でもくるりと綺麗に回る。
スズキの開発力は凄まじいと本当に思う。惜しいのはそれが消費者にほとんど伝わっていないことである。でもそれは仕方ない。例えSSを買うライダーであったとしても、限界性能を気にする人はまずいない。大事なのは「速そう・凄そう」に見えることで、乗ってみて速いかはほぼ関係ない。この点はSugomiデザインのカワサキ、美しいデザインのヤマハ、乗りやすく扱いやすい特性の演出が上手なホンダに負ける。
スポーツ走行好きこそスズキを選んでほしいと思う。ストイックに速さを追求し、しかも他社より価格を安くするスズキは本当に有り難い存在だ。二輪も四輪も庶民の味方。
ただ冒頭に言った通り、国内で本当は150馬力も必要ない。だから本当にわかっている人は600〜800ccのバイクを買って楽しむ。私は欲張りだったし、カタナのデザインが好きだし、何より試乗して楽しいと思ったからカタナを買ったが、純粋な楽しさだけで選ぶならGSX-S750・Z800・MT-07/YZF-R7・CBR650R・CB750ホーネット・GSX-8S辺りが幸せになれるだろう。街中と峠で本当に楽しめるマシン達である。サーキットは無理だが、そこに合わせてないから普段使いで楽しいのだ。あと個人的にはデイトナ675が試乗してかなり良かった。
逆に言うと150馬力もあってサーキットも走れるのに街中・峠でも楽しいカタナの完成度の高さである。こんなマシンなかなかない。私も様々なマシンに試乗してきたが、ヤンチャ走りが好きな人にベストマッチなのがカタナなのである。
全くまとまっていない日記となってしまったが、カタナに乗るといろいろなことを考えてしまう。スズキの凄さをもっと多くの人に知ってもらいたいと思う。