常識すぎて誰も語らないバイク話

ベテランライダーがバイク乗りの考え方、実情、ライテクなどバイクの世界を語ります。
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aprilia(アプリリア) RS50 前期型(MMA) ロッシカラー

イタリア、アプリリアの原付バイク RS50。豪華絢爛で、同クラスの中ではその巨大さ、贅沢な装備、特徴的なスタイリングで他の追従を許さない。

インプレッション2 (実走行・その他)

このページではインプレッションの後半として、aprilia RS50 で実際に走る時にどう感じるかや、その他諸々についてご紹介したいと思います。

※2世代前の RS50 のため、他年式の RS50 とは一部異なる箇所があります。他年式 RS50 との比較はRS50 年式比較のページをどうぞ。

作成:2007年11月5日 / 更新:2008年3月7日
カテゴリ:aprilia RS50

■ 実走行

スポーツ走行

すみません、このバイクでまともに攻めたことがないので、ほとんど書けないです。

聞いた話によると、RS50 は傾ける角度が一気に定まって、ラインをトレースするタイプらしいです。それと、ピレリ製の純正タイヤは耐久性に異様に優れるノングリップタイヤなので、走り込みたい場合はタイヤ交換が絶対に必須です。ただし、転倒するとお財布が大変なことになるので、攻めるのは計画的に……。

公道での走行

何と言っても一番の問題は、低回転時のパワーの無さと、1速のギア比が高いことによる、スタートの遅さです。普通に 3000回転くらいでスタートすると、7000回転くらいになるまでは非常にトロトロと加速します。それが大型トラックのスタートよりは多少マシかな、くらいの遅さなので、見た目がレーシーであることも災いして、後続車からの目がかなり痛いです。他のバイクと一緒に信号待ちしている時は、追い越されることほぼ確実です。普通に発進する限り、50ccスクーターにも負けます。

スタート時のクラッチ操作がかなりシビアで、思わず失敗するとエンストしそうになるほどです。慣れれば大丈夫ですが、このシビアなクラッチの感覚を覚えるまでは苦労します。6000回転以上で半クラでスタートすると、パワーバンドなのでとても小気味イイエンジン音とともにロケットスタートしますが、クラッチを著しく消耗します。精神衛生上も良くないので、普段は慎んだ方がいいでしょう。

回転数が7000回転を超えると一気にパワーバンドに入り、本領発揮で一気にスピードが上がります。トルクがないので、上り坂や向かい風には弱いですが、平地では速度が3桁を超えるほどに最高速度に優れています。重い車体ということもあり、高速時の安定性は素晴らしいです。公道走行の問題は、スタートのシビアさと前傾ポジションですね。後者も慣れで十分に克服できます。

■ その他

その他の欠点

始動性が悪いです。オーバークールなラジエーターも作用して、暖機を十分にしないとちゃんと走ってくれません。2stオイルやアイドリング回転数によりますが、特に冬だと、チョークを引いてセルを回してエンジン始動、しばらくはスロットルを少し開いた状態を続けて、安定するまで待たなければなりません。

メンテナンスするのも大変です。フルカウルですし、パーツも結構消耗します。2stレプリカはメンテをしっかりしないと、ちゃんと走ってくれなくなります。フロントフォークのオイルシール交換など、込み入った作業の場合、バイク屋で断られることもあるので注意です。その場合は、アプリリアをよく取り扱っている店に依頼する必要があります。

ケースバイケース
ご利用方法 適合度 補足
都会に住む方 都会では警官が多いために、低速が苦痛な原付は危険です。
黄色ナンバーにすると、大きく解消されます。
地方に住む方 警察が少ないのなら、このバイクは最高のライディングを保障してくれるでしょう。
信号も少ないですし、スピードも出ます。私も地方で乗りたいです。
スポーツ走行 本領発揮です。
ただし、転倒するとお金がかかります。
ツーリング 最大の論点は、自分に合った疲れないポジションを見つけられるか、です。
それをクリアできるなら、あとは多少のトラブルを対処できれば問題ないです。
通勤・通学 × 始動性が悪く、2stで信頼性も低いので、お勧めできません。
小型スクーターが最強のジャンルです。
お買い物 × 全く向きません。積載性がほとんどないので……。
ゴムやネットを装着すれば、ある程度は可能です。
高速走行 RS50 は高速時に大きく安定します。カウルもあって、至極快適です。
警察にだけ注意できれば、とても楽しいです。
低速走行 マイペースでゆっくりと走るのは、バイクを感じられて癒されると思うのですが、
このバイクはゆっくり走っても楽しくなく、苦痛なだけです。
カスタマイズ × 自分だけの1台を作るのも大きな楽しみですが、RS はあまりパーツがありません。
ビッグキャブなど、より性能を上げるパーツはありますが、高いです。

やはり極端なバイクですね RS50は…。でも大好きです^^;

個人的総評

私はとにかく「デザインが最高にカッコよすぎる!!」ということで衝動買いしてしまったのが RS50 です。しかし、「デザインさえよければ何でもいい!」という漢気に溢れる紳士でなければ、慎重に検討した方がいいバイクです。

このバイクのイイところは、デザイン大きさ(&原付に見えないので捕まりにくい)最高速だと思います。ですが、デザインの感じ方はまさに人によって千差万別ですし、大きければ重くなりますし、同じ50ccでも重ければスピード面で不利になります。また、確かに警察には捕まりにくいのは事実だと思いますが、白バイは見抜いてくるでしょうし、第一、後ろからナンバーを見れば一発で原付とわかってしまいます。フルノーマルの状態でも最高速は 3桁に届きますし、高速時は安定もしますが、それと引き換えに低速トルクが皆無で、信号待ちからのスタートが苦労します。最高速はともかく、パワー自体も軽量なミニバイクには敵わないでしょう。

悪い点も数多く、メンテしづらいパーツ高いし見つけづらい250に見られるからトロいと不思議がられる、収納スペースがとても狭いなど、本当に色々あります。

50cc でスポーティーなバイクといえば、ミニバイクを除けば NS-1 の方がよっぽど条件が良く、気が楽です。特に初めてバイクに乗る人なんかは、RS50 を選ぶと本当に大変な思いをすると思います。

ですが、これらの悪条件も何とかなる、または利点の方が欠点を大きく上回るという方は是非とも RS50 に乗って頂きたいと思います。それらの欠点があっても、むしろそれらの欠点があるからこそ、RS50 を好きになるのだと思います。「全く、仕方のないヤツだなぁ。俺が面倒を見てやるかぁ」のように、私は RS50 を深く好きになりました。RS50 はいいバイクですよ。

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