常識すぎて誰も語らないバイク話

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管理人のバイク歴

普通の人とはちょっと違う、変わったバイクライフが続く

バイク達の思い出 第7回「DR-Z400SM GSR400 CBR600F4i ZRX1100 690Duke」

このシリーズでは管理人が今までに乗ってきたバイク達を振り返っていく。

31. DR-Z400SM (2013年6月からずっと所有中)

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ジムカーナにハマっていた頃、同じくC型ZX-10Rに乗るA級選手(ジムカーナの最上位クラスがA級で、その選手は人間国宝)の朝野さんとお話できる機会があり、ジムカーナをやる上での様々な改造を教えていただいた。そこで10Rの改造を依頼するなら同じくA級選手でC型に乗っているパワーバンドきむらの社長に頼むべきだということに。

整備の最中に色々な話をした。「10Rって最高のバイクですよね?」「C型の10Rは本当にダメなバイクだよ。難しいバイクだし、燃費も悪いし…」。社長はZRXから乗り換えたらしく、A級視点からのC型10Rのダメさっぷりを色々教えていただいた。…が、限界域での走りを知らず、デザインが大好きだった私はあまり納得できなかった(笑)

「というと、どういうバイクがいいんですか?」「やっぱり初心者にはVTRとかDR-Z400SMとかだよねぇ」。ジムカーナとしては定番のバイクであり、自分の10R大好きな私はここではまだ心が動かなかった。

パワーバンドきむらはバイク屋さんなので売り物のバイクが並んでいた。二階に行くと「ジムカーナ仕様」となっているVTRとDR-Z400SMが置かれている! ジムカーナA級選手がジムカーナスペシャルカスタムとしてスイングアームを短くしたりスプリングを変えたりなどしてある即戦力となるスゴイバイクだ。

「このDR-Z400SMだとどれくらい速いんですか?」「B級でも走れる速さだし乗りやすいよ」。75万のジムカーナ仕様DR-Z400SM、お買上げだった…。

私はあくまで10Rの改造だけ頼むつもりで来店しており、10Rを気に入っているしバイクを買う気なんて微塵もなかったのだ。パワーバンドきむら社長恐るべしである。

パワー面では弄られてないが(弄るとかなり馬力が上がるらしい)、足回りがかなり変わっていてとにかく驚異的なコーナリングをするバイクだ。乗りやすく安心感がある上に速い。パワーも400ccとは思えないくらいある。コレに乗ったら400ccの4気筒ネイキッドなんか乗れないよ。

「ジムカーナ用にカスタムした車両は、どこに持っていっても速いんだよね」と社長が豪語する通り、山道では反則なくらい速いバイクだ。さすがにパワーではリッターバイクや4輪にかなり見劣りするものの、狭い場所なら爆速である。

初めてモタードに乗った私でもすぐに馴染むくらい乗りやすく、また元々モタードは足回りが柔らかくライダーが大きく動いて調整するもののため、ネイキッドやSSしか乗ったことのない私に新たな乗り方を教えてくれ、それがライテクの進化に繋がった。それまで10Rで山道を走るのは苦手だったが、DR-Z400SMのおかげで楽しく走れるようになった。

DR-Z400SMはあまりにポテンシャルが高いため、私がまだ扱いきれてない。SSよりも金がかかっているフロントフォークなど、本当に特別なバイクなのだ。スズキって本当によくわからないメーカーだ。

32. GSR400

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私が以前勤めていた会社の同期のバイク。

その人はこれの前はZXR400に乗っていて、ZX-10Rに憧れている。ここだけ聞くと走り屋みたいだが、実際は一般的なツーリングライダーである。

正直、私の周りは飛ばす人ばかりなので、こういった良識ある、あまり飛ばさず安全運転をして街乗りを楽しむ人は珍しくて、そして不思議に思うこともある。いや、私も天気が良い日にDR-Z400SMで40キロでまったり走るのが大好きだからわかるけど、たまには飛ばしたく…ならないのかな?

GSR400の感想というと、とにかくリアタイヤがダルいバイクである。まあセッティングしていなかったのでベストコンディションではなかったが、日本人向けに作ってるからそれほど大きなズレはないはず。

リアタイヤが太すぎてグリップ力があり余り、後輪がダラ〜と転がってるだけで向き変えが非常に遅いのである。その上、同じ400ccのDR-Z400SMと比較してもあまりにパワーがなくモッサリしている。スロットル全開なのだが、タコメーターの動きが目を疑うくらい遅い。400cc4気筒はこんなに遅かったか…。

リアタイヤが太いので、このバイクで速く走る方法はただ1つ。コーナリング速度を高め、アクセルを可能な限り開けっ放しにしてリアタイヤを流して走ることである。その走り方はライテクのページにまとめてある。どう考えても車体に対してアンダーパワーであり、バランスが悪いのでこれを速く走らせるにはコツがいる。初心者にはかなり難しいバイクだ。

GSR600のエンジンならわかるが、400ccにこの車体は絶対あり得ないだろう…こういうところがスズキのダメなところだ。まあタイヤを寝かせただけでも曲がるメッツラーM3とかパイロットパワーにでもすれば多少は改善されると思うが…。

スポーツネイキッドとして売ってるんだから、もっとちゃんと作ってほしい。この車体ならイナズマ400のようにもっと直線重視にすべき。実に半端な車体である。

33. CBR600F4i (2013年8月)

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DR-Z400SMの速くて扱いやすい点に納得し、ジムカーナに少し興味を持ち始めた弟がセロー225から乗り換えたバイク。

見ての通り最初からジムカーナ用っぽい仕様になっていた。ただし走行が6万キロになっており、そのせいなのかわからないがパワーはGSX-R600に比べると小さかった。

しかし扱いやすさはかなりのものがあり、ターンインで伏せているところから少し上体を起こすだけで、車体が反応して気持ちよくバンクした。乗りやすさに関してはさすがホンダというところである。

コーナリングはかなり良かったがさすがにパワーが低いなぁと感じ、弟もそうだったのか刺激が足りず乗り換えてしまった。やっぱりCBRはスゴイよ。

34. ZRX1100 (2014年7月)

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しばらくバイクから降りて車に乗っていた弟だが、やはりスポーツするならバイクということで戻ってきた。

走行8万キロという危ない代物だったが、現物を見に行って調子が良いことを確認。メカニカルノイズもなく、エンジンもスムーズに回り、オイル漏れも直してあり、リアサスはオーリンズ製、コンディションは極めて良好。

もともとZRX1100はコンパクトな作りに短いホイールベースということもあり、ビッグバイクにしてはよく曲がるが高速域でやや不安定という挙動で、これを嫌った前オーナーが強化スイングアームに換装してさらにエンジン部に補強のパイプが入っていた。それにより、安定はしているがコーナリングはコチコチだった。

そこで強化スイングアームはそのままにしたが補強パイプは外し、リアの車高をかなり上げ(1枚目の写真でわかるがZRX1100としては尻が異様に高い)、サスセッティングをした結果、ネイキッドにしてはかなり曲がるようになった。

私はリアの車高を上げるのには躊躇したのだが、デザイン上どうしても上げたいということで上げ、柔らかくなったぶんリアサスを固くしたところ、リアが外側に入りやすく寝やすい積極的でイージーな特性となった。オーバーステア傾向といっていい。

強化スイングアームが入っているのでピッチングはあまりせず、ブレーキやアクセルを使った積極的なライディングはイマイチなものの、自分から寝ていき寝かすだけで結構曲がるという、ワインディングを走るには楽しい仕様になった。

タイヤは最初ロードスマートで、GSX1400にも最初ついていたこのタイヤは実にコーナリングが悪かったが、その後メッツラーのM3に変更し、これがベストマッチで「自分から寝ていく車体+寝やすく寝かすだけで曲がるタイヤ」によって楽々コーナリングマシンになった。強化スイングアームのおかげか、リアの応答性がよくわかりやすい。

ビッグネイキッドってコーナリングはイマイチと思っていた私は、このバイクに乗ったことで「ビッグネイキッドもセッティングをちゃんとすれば結構走れる!」と知ることができた。

ヨシムラのマフラーが入っていて、高回転型のエンジンとの組み合わせにより上で物凄いパワーが出る。こんな重いバイクだが、凄い力で前に進んでいくのだ。その演出はかなり素晴らしいものだなと思った。

弟もかなり気に入っていてSSBまで付けたのだが、もう少し街乗りでまったりできるバイクが欲しかったらしく乗り換えることになる。だが間違いなくZRXシリーズは大傑作だと自信を持って言える。

35. KTM 690 Duke R / 390 Duke

詳しい試乗レポートは690 Duke Rのページへ。

たまたま行われていた試乗会で乗ったんだけど、Duke 690 Rは本当に刺激的なバイクだ。690ccの単気筒エンジンのトルク・パワーは強烈の一言で、それに動きが最高に良いしなやかな脚が備わってるから、アクセルワークで車体の動きがダイナミックに操作できる。DR-Z400SMも脚は最高だけど、Dukeはパワーでより強引に操作する感じ。

それでいながら街乗りの速度でも楽しく運転できる。エンジンがスゴイいい。とにかく隙がない。もしバイクが1台しか持てなかったら、1000SSかこれにすると思う。壊れやすさとかパーツの供給とかはわからないけど。

390 Dukeのほうは酷い出来で、これを試乗して買おうと思う人はほとんどいないんじゃないだろうか。モタードだが、ネイキッドより少し長いストロークで柔らかいが、モタードの動きではなく実に半端な感じを受ける。脚の動きが非常に悪い。

ミッションがかなりのクロスレシオで、速度の乗り方はDR-Z400SMより良い。比較するとDR-Z400SMがかなりワイドレシオに感じられるほどだ。だが街乗りに相性が良いのは間違いなくDR-Z400SMのほうで気楽に乗れる。

思うに、390 Dukeは価格が安いことから、サスは交換前提で売っていると思う。街乗りオンリーにしても動きの悪さが目立つ。そしてこのミッションだから完全に競技する人向けなんじゃないだろうか。街乗りしたいという人は絶対にDR-Z400SMのほうがいいよ。

次: バイク達の思い出 第8回「XV1900CU RSV Mille GPZ1100」

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